
院長:高木お気軽にご相談ください!
夜中の2時、3時に赤ちゃんの泣き声で目が覚める日々が続いていませんか?赤ちゃんの夜泣きは多くのお母さんが経験する悩みですが、毎晩続くと心身ともに本当につらいですよね。今日は夜泣きの原因と、身体のケアという視点からの対処法についてお話しします。睡眠不足で疲れ切っているお母さんに、少しでも楽になるヒントをお伝えできればと思います。


まず知っていただきたいのは、夜泣きは決して珍しいことではなく、ほとんどすべての赤ちゃんが経験する自然な発達過程だということです。一般的には生後6か月前後から始まることが多く、1歳半頃には落ち着いてくると言われています。ただし個人差が大きく、早い子では生後3か月頃から始まったり、2歳を過ぎても続いたりすることもあります。
「そのうち終わるから大丈夫だよ」と言われても、「いつまで続くのか」という終わりの見えない不安は、お母さんにとって本当につらいものですよね。でも必ず終わりは来ます。今が一番大変な時期かもしれませんが、この時期を乗り越えれば朝までぐっすり眠れる日が必ず訪れますから、少しだけ希望を持って乗り切っていきましょう。
夜泣きの原因は完全には解明されていませんが、いくつかの要因が重なって起こると考えられています。赤ちゃんの睡眠リズムはまだ未発達で、大人のように深い眠りと浅い眠りを上手に繰り返すことができません。浅い眠りの時に目が覚めてしまい、再び眠ることができずに泣いてしまうのです。
また、昼間の刺激が強すぎたり、新しい経験をたくさんしたりした日は、脳が興奮状態になって夜泣きしやすくなります。お出かけした日や来客があった日に夜泣きがひどくなるのは、このためなんですね。さらに、部屋の温度や湿度、おむつの不快感など、環境的な要因も関係しています。
生後3〜4か月頃の夜泣きは、まだ昼夜の区別がついていないことが主な原因です。この時期は生活リズムを整えることが大切になります。生後6〜9か月頃になると、人見知りや場所見知りが始まり、日中の不安が夜泣きとして表れることがあります。1歳前後では、歩き始めの興奮や言葉の発達に伴う刺激が夜泣きにつながることも多いです。
実は院で赤ちゃんを診ていると、夜泣きがひどい赤ちゃんの多くに身体の緊張が見られるんです。首や肩、背中の筋肉が硬くこわばっていると、赤ちゃんは常に不快感を感じている状態になります。大人でも身体が凝っていると眠りが浅くなったり、夜中に目が覚めたりしますよね。赤ちゃんも同じなんです。
特に出産時の負担が残っている場合、頭や首に緊張が残ってしまうことがあります。長時間の陣痛、吸引分娩、鉗子分娩、帝王切開など、どのような出産でも赤ちゃんの身体には何らかの影響があります。その影響で自律神経のバランスが乱れ、リラックスして眠ることが難しくなっている可能性があるのです。
自律神経は、活動する時の交感神経とリラックスする時の副交感神経からなります。赤ちゃんの自律神経はまだ発達途中で、うまく切り替えができないことがあります。身体に緊張があると交感神経が優位になりやすく、夜になっても副交感神経に切り替わらず、深く眠ることができません。これが夜泣きの一因になっているケースが実は多いんです。
身体の緊張をほぐしてあげることで、赤ちゃんの夜泣きが劇的に改善することがあります。当院でも、ベビー整体を受けた翌日から「夜泣きが減りました」「朝までぐっすり眠れるようになりました」というお声をいただくことが多いんです。身体がリラックスできる状態になると、自律神経のバランスが整い、質の良い睡眠が取れるようになります。
赤ちゃんの身体に緊張があるかどうかは、日常の様子から気づくことができます。抱っこすると身体が反り返る、いつも同じ方向ばかり向いている、手足の動きが左右で違う、寝かせると背中が浮いてしまう、着替えやおむつ替えの時に身体が硬い、といった様子が見られる場合は要注意です。これらは身体のどこかに緊張がある可能性を示すサインです。
専門的なケアを受ける前に、まずは家庭でできることから始めてみましょう。生活リズムを整えることは基本中の基本です。朝は決まった時間に起こして日光を浴びせ、昼間はしっかり遊ばせて適度に疲れさせます。お昼寝は夕方までに済ませ、夜は部屋を暗くして静かな環境を作ります。
また、赤ちゃんの身体を優しくマッサージしてあげることも効果的です。お風呂上がりの温まった状態で、保湿剤を塗るついでに背中や手足を優しくさすってあげてください。力を入れる必要はなく、ただ温かい手で触れるだけで十分です。スキンシップは赤ちゃんに安心感を与え、筋肉の緊張をほぐす効果があります。
室温は20〜22度、湿度は50〜60%が理想的です。暑すぎたり寒すぎたりすると、赤ちゃんは不快で目が覚めてしまいます。また、寝る前の照明を暗めにして、テレビやスマートフォンの明るい光を避けることも大切です。メラトニンという睡眠ホルモンの分泌を促すために、寝る1時間前からは静かで落ち着いた環境を作るようにしましょう。
とは言っても、ご紹介したケアで上手くいかないこともあるかと思います。そんな時は家庭でのケアに加えて、専門的なベビー整体を受けることも選択肢の一つです。当院のベビー整体では、赤ちゃんの身体全体のバランスを丁寧にチェックし、緊張している部分を優しくほぐしていきます。出産時の影響で頭蓋骨や首に歪みが残っている場合は、それを整えることで自律神経のバランスが改善します。
施術は決して痛いものではなく、自分でまぶたを触った時に不快ではない程度の優しいタッチで行います。国家資格を持つ施術者が、一人ひとりの赤ちゃんの状態に合わせた施術を行いますので、安心してお任せください。夜泣きだけでなく、吐き戻しや便秘、向き癖など、他の悩みも同時に改善することが多いです。
夜泣き対策で見落としがちなのが、お母さん自身のケアです。体のダメージも完全に戻っていない中で睡眠不足が続くと、疲れが取れないばかりか、イライラしたり判断力が鈍ったりして、赤ちゃんへの対応も余裕がなくなってしまいます。赤ちゃんはお母さんの不安やストレスを敏感に感じ取るので、それがさらに夜泣きを悪化させる悪循環になることもあります。
出来るのであればパートナーや家族に協力してもらって、昼間に少しでも仮眠を取る時間を作りましょう。完璧を目指さず、家事は手抜きでも大丈夫です。また、一人で抱え込まずに、保健師さんや子育て支援センター、そして私たちのような専門家に相談することも大切です。「これくらいで相談していいのかな」と躊躇する必要はありません。
今、毎晩の夜泣きで心身ともに疲れ切っているお母さんに伝えたいのは、「これは永遠に続くわけではない」ということです。夜泣きは成長の一過程であり、必ず終わりが来ます。そして、この大変な時期を乗り越えた時、お母さん自身も一回り強く優しくなっているはずです。
もし夜泣きの原因が身体の緊張にあるなら、それを取り除いてあげることで状況は大きく改善します。一人で悩まず、ぜひ私たちにご相談ください。同じ親として、そして専門家として、お母さんと赤ちゃんが笑顔で過ごせるよう全力でサポートいたします。夜泣きで困っている時は、いつでもお気軽にお声がけくださいね。少しでも楽になる方法を一緒に見つけていきましょう。

