
院長:高木お気軽にご相談ください!
健診で赤ちゃんの大泉門がまだ閉じていないと指摘されて、不安になっていませんか。周りの同じ月齢の赤ちゃんは閉じているのに、うちの子だけまだ開いているような気がすると心配になりますよね。
今回は、大泉門が閉じないとどうなるのか、どのような病気の可能性があるのか、そして正常な閉鎖時期や病院受診の目安について、詳しくお話しします。
まず、大泉門について基本的なことを理解しておきましょう。大泉門は、赤ちゃんの頭の前側、おでこの少し上にあるひし形の柔らかい部分です。触るとペコペコと柔らかく、脈打っているように感じることもあります。
赤ちゃんは、狭い産道を通って生まれてくるために、頭蓋骨が完全にくっついていません。頭蓋骨が柔軟に動くことで、産道を通りやすくなっています。また、生まれた後の脳の急速な成長にも対応できるようになっています。
大泉門は、前頭骨と頭頂骨の間にある隙間で、膜で覆われています。この膜の下には、脳や脳脊髄液があります。赤ちゃんの脳が成長するにつれて、頭蓋骨も徐々に大きくなり、やがて骨同士がくっついて大泉門は閉じていきます。
大泉門が閉じる時期には個人差がありますが、一般的な目安を知っておくことが大切です。平均的には、1歳から1歳半の間に閉じることが多いです。遅くとも2歳までには閉じるのが正常範囲とされています。
生後すぐは大きく開いていた大泉門も、生後6ヶ月頃から徐々に小さくなっていきます。1歳の誕生日を迎える頃には、かなり小さくなっていることが多いです。ただし、触るとまだ柔らかさが残っていることもあります。
1歳半健診で、まだ大泉門が開いていると指摘されることがあります。この時期に開いていても、2歳までに閉じれば問題ありません。医師から様子を見ましょうと言われた場合は、焦らずに経過を観察することが大切です。
2歳を過ぎても大泉門が閉じない状態を、泉門閉鎖遅延と呼びます。この場合、いくつかの病気が隠れている可能性があるため、注意が必要です。
大泉門が閉じない原因として最も多いのが、甲状腺機能低下症です。甲状腺ホルモンは骨の成長に重要な役割を果たしており、このホルモンが不足すると骨の発達が遅れて大泉門の閉鎖も遅くなります。
甲状腺機能低下症の赤ちゃんは、大泉門が閉じない以外にも、体重増加不良、便秘、皮膚の乾燥、活気がない、泣き声が小さい、低体温などの症状が見られることがあります。新生児マススクリーニングで早期発見されることが多いですが、後から発症することもあります。
脳脊髄液が頭の中に溜まり、脳を圧迫する病気が水頭症です。脳圧が高まることで、大泉門が閉じにくくなります。大泉門が膨らんでパンパンに張っている、頭囲が急速に大きくなる、嘔吐を繰り返すなどの症状があります。
水頭症は、先天的なものと後天的なものがあります。髄膜炎や脳出血の後に起こることもあります。早期発見と治療が重要で、シャント手術などの治療が必要になることがあります。
ビタミンDが不足することで起こる骨の発達障害がくる病です。骨が柔らかいままで硬くならず、大泉門の閉鎖も遅れます。最近では、完全母乳育児でビタミンDが不足するケースや、日光を避けすぎることで発症するケースが増えています。
くる病の症状には、大泉門が閉じない以外に、頭の形が変形する、足が曲がる、成長が遅い、筋力が弱いなどがあります。ビタミンDの補充や日光浴で改善することが多いです。
ダウン症候群などの染色体異常がある場合も、大泉門の閉鎖が遅れることがあります。ただし、染色体異常は他の特徴的な身体的特徴を伴うことが多いため、大泉門が閉じないことだけで診断されることはありません。
大泉門が閉じない状態が続くと、いくつかの影響が考えられます。まず、頭をぶつけた時に脳を守る力が弱いという点です。大泉門は膜で覆われているだけなので、硬い骨で覆われている部分よりも保護が弱くなります。
また、病気が隠れている場合は、その病気による影響が出ます。甲状腺機能低下症であれば、治療しないと成長や発達に遅れが出る可能性があります。水頭症であれば、脳圧が高まり続けることで脳に障害が残るリスクがあります。
ただし、病気がなく単に閉鎖時期が遅いだけの場合は、最終的に閉じれば問題ありません。個人差の範囲内であれば、脳の発達や将来的な影響を心配する必要はないです。
大泉門が閉じないことで病院を受診すべきタイミングを知っておくことが大切です。2歳を過ぎても大泉門が大きく開いている場合は、小児科を受診しましょう。医師が触診で大きさを確認し、必要に応じて検査を行います。
また、大泉門がパンパンに膨らんでいる、へこんでいる、頭囲が急激に大きくなっている、発熱や嘔吐がある、ぐったりしているなどの症状がある場合は、年齢に関係なくすぐに受診してください。これらは、水頭症や髄膜炎などの緊急を要する病気のサインかもしれません。
1歳半健診で指摘された場合は、医師の指示に従って経過観察をしましょう。焦る必要はありませんが、2歳までに閉じない場合は再度受診して検査を受けることをおすすめします。
大泉門が閉じない原因を調べるために、いくつかの検査が行われます。まず、問診と触診で大泉門の大きさや張り具合を確認します。頭囲の測定も重要で、成長曲線と照らし合わせて異常な増加がないかをチェックします。
血液検査では、甲状腺ホルモンの値やビタミンDの値を測定します。甲状腺機能低下症やくる病の診断に必要です。頭部の超音波検査やCT、MRIなどの画像検査で、水頭症や脳の異常がないかを確認することもあります。
これらの検査で異常が見つかれば、専門医による治療が始まります。異常がなければ、経過観察を続けることになります。
大泉門が閉じないことと、頭の形の歪みには関係があることがあります。大泉門が大きく開いている期間が長いと、頭蓋骨が柔らかい状態が続くため、向き癖や寝る姿勢によって頭が変形しやすくなります。
絶壁や斜頭症などの頭の形の歪みが気になる場合は、大泉門の閉鎖状況も含めて専門家に相談することをおすすめします。当院では、赤ちゃんの頭の形や大泉門の状態を確認し、適切なケアをアドバイスしています。
頭の形を整えるためには、向き癖の改善や抱っこの仕方の工夫、タミータイムの実践などが有効です。大泉門が開いている間は頭の形を整えやすいため、早めのケアが大切です。
大泉門は、平均的には1歳から1歳半の間に閉じますが、遅くとも2歳までに閉じれば正常範囲です。2歳を過ぎても閉じない場合は、甲状腺機能低下症、水頭症、くる病などの病気が隠れている可能性があるため、小児科を受診しましょう。
大泉門がパンパンに膨らんでいる、へこんでいる、頭囲が急激に大きくなる、発熱や嘔吐があるなどの症状がある場合は、すぐに受診してください。病気がなく単に閉鎖時期が遅いだけの場合は、最終的に閉じれば問題ありません。
大泉門が閉じないことで不安を感じるのは当然です。インターネットで調べると怖い情報がたくさん出てきて、ますます心配になりますよね。でも、多くの場合は個人差の範囲内で、心配のいらないケースです。一人で不安を抱え込まずご相談ください。赤ちゃんの成長を一緒に見守っていきましょう。

