
院長:高木お気軽にご相談ください!


うつ伏せにしたら、突然手も足も高く持ち上げてニコニコしている…そんなわが子の姿を見て「これって何?」と思ったことはありませんか。赤ちゃんがうつ伏せでとる飛行機ポーズは、多くのお母さんが一度は目にする微笑ましい姿です。
でも「かわいい!」と思う気持ちの裏で、「反り返りが強すぎるのでは」「ずりばいに進まなくて大丈夫かな」と不安になるお母さんも多いと思います。この記事では、そのポーズが持つ発達上の意味と、気になる場合の対処法を丁寧にお伝えします。


「かわいいけど心配」という気持ち、よくわかります。正しく知れば安心できることがほとんどですので、ぜひ参考にしてみてください
飛行機ポーズとは、うつ伏せの状態で赤ちゃんが頭・両腕・両足を同時に床から持ち上げ、まるで空を飛ぶ飛行機のように体全体を反らせるポーズのことです。生後4〜6ヶ月頃に多く見られ、ご機嫌なときに特にしやすい動作です。突然始まることが多く、初めて見たお母さんは驚くことも多いようです。
飛行機ポーズが見られ始めるのは、一般的に生後4ヶ月前後からです。首がすわり、うつ伏せで頭を持ち上げられるようになってきた頃から、体全体を持ち上げようとする動きが出てきます。生後5〜6ヶ月にかけてが最も活発に行う時期で、その後ずりばいや寝返りといった次の発達へと移行していきます。
このポーズは赤ちゃんが自分の体の重心を感じ、バランスをとる練習をしている状態です。背中の筋肉(脊柱起立筋)や臀部の筋肉が発達してくると、反射的に体を反らせる動きが強くなります。また前庭感覚(体のバランスを感知する感覚)を刺激するための本能的な動きでもあり、飛行機ポーズは発達上とても重要なプロセスのひとつです。
飛行機ポーズを「ただの癖」と思っている方もいるかもしれませんが、実はこの動作にはとても重要な発達的役割があります。体の各部位の筋力・感覚・神経の連携がこのポーズを通じて育まれており、次の発達ステップの土台になっています。
飛行機ポーズで体を反らせる動作は、背中・お尻・首の後ろといった体の背面の筋肉を総動員する運動です。この筋力がしっかりと育つことで、のちの寝返り・ずりばい・はいはいに必要な体幹の安定性が形成されます。一見遊んでいるだけに見えますが、赤ちゃんにとっては全身トレーニングをしているのと同じです。
体を持ち上げて重力に抗う動きは、固有受容感覚(自分の体の位置や動きを感じる感覚)と前庭感覚(バランス感覚)を同時に刺激します。これらの感覚は、運動発達だけでなく集中力や感情の安定にも関係しています。生後早い時期にこの感覚をしっかり育てることが、その後の発達の質に影響します。
飛行機ポーズの後に続く発達段階がずりばいです。飛行機ポーズで背面の筋肉を鍛えながら、同時に手で床を押す感覚を学ぶことで、前に進む動作の準備が整っていきます。飛行機ポーズはずりばいへの助走段階であり、この時期を焦らずに見守ることが大切です。
飛行機ポーズそのものは正常な発達の一部ですが、ポーズの出方や状態によっては体の緊張や骨格のバランスに影響が出ている場合もあります。「うちの子は少し様子が違うかも」と感じる場合のサインを確認しておきましょう。
飛行機ポーズ自体は問題ありませんが、うつ伏せ以外の場面でも常に体を反らせていたり、抱っこした時に弓なりになって嫌がったりする場合は、体の緊張が強くなっているサインかもしれません。頸椎や背骨の周囲に緊張があると、特定の方向への動きが難しくなることがあります。
飛行機ポーズをする際に、いつも同じ方向に頭が傾いていたり、体が一方向に偏っていたりする場合は、頸椎や骨盤の左右差が影響していることがあります。左右均等に体を動かせていることが理想的な発達の形です。
飛行機ポーズを楽しみながら、次の発達へとつなげるために親ができることがあります。難しいことは一つもありませんので、日々の遊びの中に取り入れてみてください。
飛行機ポーズを含むうつ伏せ遊びは、赤ちゃんの発達に欠かせない時間です。1日の中で数回、目が覚めてご機嫌なタイミングにうつ伏せで遊ばせる時間を作りましょう。最初は数分でも構いません。嫌がる場合は無理に続けず、少しずつ慣れさせていくことが大切です。
ずりばいへの移行を促すには、前に進む動機づけが効果的です。赤ちゃんの手が届きそうで届かない位置にお気に入りのおもちゃを置いてあげることで、自然と前に進もうとする動きが引き出されます。焦らず赤ちゃんのペースに合わせながら、楽しい雰囲気で行うことがポイントです。
抱っこや授乳、遊びの中で、意識的に左右均等に赤ちゃんと関わるようにしましょう。いつも同じ腕で抱っこしていると、赤ちゃんの体に左右差が生じやすくなります。右で抱いたら次は左、授乳も左右交互にと、日常の動作を少し意識するだけで赤ちゃんの体のバランスが整いやすくなります。
飛行機ポーズに関連した体の緊張や骨格のバランスの問題は、カイロプラクティックでアプローチできることがあります。赤ちゃんに整体やカイロプラクティックというと驚かれる方もいますが、体を整えることで発達をサポートする効果が期待できます。
当院で行う赤ちゃんへの施術は、5gタッチと呼ばれるごく軽い接触を基本にしています。これは自分のまぶたを触っても不快にならない程度のわずかな圧力で、神経系を通じて体の緊張を緩め、骨格の自然な整合を促すアプローチです。バキバキとするような施術は一切行いません。
体の反り返りが強い赤ちゃんの場合、頸椎・胸椎・仙骨周囲に過剰な緊張が生じていることがあります。施術ではこれらの部位の緊張を丁寧に緩め、体が自然に動きやすい状態を整えることを目的とします。施術後に反り返りが落ち着いた、抱っこがしやすくなったというご報告をいただくことも多いです。
当院では1ヶ月健診を終えた頃から赤ちゃんの施術を受けていただけます。飛行機ポーズが気になり始める生後4〜5ヶ月の時期は、骨格がまだ柔軟で変化が出やすい時期でもあります。「早すぎるかな」と思う必要はありませんので、気になることがあればお気軽にご相談ください。
赤ちゃんの発達には大きな個人差があります。飛行機ポーズをよくする子・あまりしない子、すぐにずりばいに移行する子・時間がかかる子、それぞれです。「○ヶ月でこれができないといけない」という固定した基準に縛られすぎると、お母さん自身がつらくなってしまいます。
大切なのは発達の「順序」を大まかに把握しておくことです。飛行機ポーズ→ずりばい→はいはい→つかまり立ちという流れの中で、今どの段階にいるのかを確認しながら、次の動きが出やすい環境を整えてあげることが、親としてできる最善のサポートです。
飛行機ポーズは「ただかわいい動き」ではなく、赤ちゃんが次の発達へと進もうとしているサインでもあります。その時期を焦らず、楽しみながら見守ってあげてください。もし「うちの子は少し様子が違うかも」と感じることがあれば、ひとりで悩まずにいつでもご相談いただければと思います。体のことだけでなく、発達に関する小さな疑問も、一緒に考えさせてください。

