
院長:高木お気軽にご相談ください!
抱っこしようとすると赤ちゃんが背中を弓なりに反らせて、うまく抱けない…そんな経験はありませんか?授乳中やおむつ替えの時に激しく反られると、「うちの子、どこか悪いの?」「発達に問題があるの?」と不安になりますよね。
赤ちゃんが身体を反らせる動きは多くのお母さんから相談を受ける悩みの一つです。実は反り返りには様々な理由があり、多くの場合は心配のいらない成長過程の一つなんです。ただし、身体の緊張が強すぎる場合は対処が必要なこともあります。今日は反り返りの原因と、身体からアプローチする対処法についてお話しします。




身体の緊張が強いと反り返りやすくなることが多いんです
赤ちゃんの反り返りとは、背中を弓なりに反らせる動きのことを指します。抱っこしようとすると全身を後ろに反らせたり、授乳中に頭を大きく後ろに傾けたり、寝かせようとすると背中を反って泣いたりする様子が見られます。特に生後1〜4か月頃の赤ちゃんに多く見られる動きで、ほとんどの赤ちゃんが何らかの形で経験するものです。
反り返り自体は珍しいことではありません。ただし、頻度が高い、力が強すぎる、長期間続くといった場合は、何らかの対処が必要なケースもあります。大切なのは、その反り返りが赤ちゃんにとってどういう意味を持つのかを理解することです。
赤ちゃんが反り返る理由はいくつかあります。まず最も多いのが、発達過程での筋肉のトレーニングです。寝返りをする準備として背中の筋肉を鍛えている時期に、反り返りの動きが頻繁に見られます。これは成長のために必要な動きで、心配いらないケースがほとんどです。
次に、不快感の表現として反り返ることもあります。暑い、お腹が空いた、抱き方が気に入らない、眠いのに寝られないなど、赤ちゃんなりに「今の状態が嫌だ」と訴えているのです。また、授乳中に反る場合は、母乳やミルクの出方が合わない、げっぷが出そう、お腹がいっぱいといったサインかもしれません。
見落とされがちなのが、身体の緊張による反り返りです。首や肩、背中の筋肉が硬く緊張していると、赤ちゃんは自然と身体を反らせた姿勢になりやすくなります。特に出産時の負担が残っている場合や、いつも同じ姿勢で寝ている場合は、身体の一部に緊張が蓄積されていることがあります。
特に抱っこ紐を利用することも多いかと思いますが、長時間の利用であったり、正しい抱っこの位置にセットできていないと身体の緊張が起きやすくなります。お出かけの時はベビーカーと併用したり、成長に合わせて抱っこ紐の調節をするようにしましょう。
そして普段の抱っこの時に気を付けたいのが「股の間に腕を入れて横に抱き、内側の手は下におろしてしまう」抱っこ方法です。ついやってしまいがちなやり方ですが、これは赤ちゃんの身体が捻じれてしまうため、身体のバランスが崩れ緊張を強くしたり、向き癖や片方しか寝返りをしないなどが起きてしまう原因になってしまいます。お腹の中にいた時のように、両手は胸の前に持ってきてあげると癖がつきづらいですよ。
緊張した筋肉は伸ばされることを嫌うため、赤ちゃんは無意識に反り返った姿勢を取ろうとします。大人でも肩こりがひどい時は、自然と胸を張った姿勢になることがありますよね。赤ちゃんも同じで、緊張している部分を楽にしようとして反り返るのです。
多くの反り返りは成長過程で見られる自然な動きですが、中には注意が必要なケースもあります。心配のいらない反り返りは、一時的で短時間、機嫌が良い時にも見られる、他の発達は順調に進んでいる、といった特徴があります。寝返りの練習をしている時期や、自己主張が出てきた時期に見られる反り返りは、ほとんどの場合問題ありません。
一方で注意が必要なのは、常に身体が硬く緊張している、抱っこが非常に難しい、授乳がスムーズにできない、首のすわりや寝返りなど発達が全体的に遅れている、目が合いにくい、といった他の症状を伴う場合です。これらの症状が複数見られる場合は、一度小児科や専門医に相談することをおすすめします。
ネットで検索すると「反り返り 発達障害」「反り返り 自閉症」といった情報が出てきて、不安になったお母さんも多いと思います。結論から言うと、反り返りだけで発達障害を判断することはできません。反り返りは多くの健常な赤ちゃんにも見られる動きで、反り返りがあるからといって必ずしも発達障害というわけではないのです。
ただし、発達に何らかの特性がある赤ちゃんの中に、感覚過敏や筋緊張の問題から反り返りが強く出るケースがあるのも事実です。大切なのは、反り返り単独で判断するのではなく、目の合い方、表情の豊かさ、運動発達全般、コミュニケーションの様子など、総合的に見ることです。心配な場合は専門家に相談しましょう。
反り返りが気になる場合、家庭でできる対処法がいくつかあります。まず基本となるのは、赤ちゃんの不快感を取り除くことです。部屋の温度は適切か、お腹は空いていないか、おむつは濡れていないか、眠そうにしていないかなど、環境を確認してあげてください。授乳中の反り返りは、授乳姿勢を変えたり、げっぷをさせたりすることで改善することがあります。
実は、泣いている時にお腹がすいているのかな?とあげてしまう事がありますが、赤ちゃんはお腹がいっぱいなのに反射で飲んでいることがあります。そうすると苦しくて反ってしまうこともあります。
また、抱っこの仕方を工夫することも効果的です。縦抱きにしてみる、前向き抱っこにしてみる、授乳クッションやスリングを使うなど、赤ちゃんがリラックスできる抱き方を探してあげましょう。
お風呂上がりや沢山遊んだ後などに、背中やわき腹、股関節などを優しくマッサージをしたり、膝を抱えさせるようなポーズで背中を丸くするなどして筋肉の緊張をほぐしてあげることも有効です。
身体の緊張が原因で反り返りが強い場合は、緊張をほぐすことが根本的な解決につながります。赤ちゃんの背中や首、肩を優しくさすってあげてください。力を入れる必要はなく、温かい手で触れるだけで十分です。特にお風呂上がりの身体が温まっている時に行うと効果的ですよ。
当院でも反り返りが強い赤ちゃんを診ることがよくありますが、多くの場合、身体のどこかに緊張やバランスの崩れが見られます。出産時の負担や向き癖などが原因で、首や背中、骨盤周りの筋肉が緊張し、それが反り返りとして現れているケースが本当に多いんです。
このような場合、身体全体のバランスを整えて緊張をほぐすことで、反り返りが劇的に改善することがあります。施術後に「抱っこがしやすくなりました」「授乳中に反らなくなりました」というお声をいただくことも少なくありません。身体がリラックスできる状態になると、赤ちゃん自身も楽になり、自然と反り返りが減っていくのです。
当院のベビー整体では、赤ちゃんの身体全体をチェックして、緊張している部分を優しくほぐしていきます。特に首から背中にかけてのラインと、骨盤周りのバランスを整えることで、全身の緊張が和らぎます。施術は決して痛いものではなく、自分のまぶたを触っても不快にならない程度の優しいタッチで行いますので安心してください。
また、ご家庭でできるセルフケアの方法もお伝えしています。日常的に少しずつ身体をほぐしてあげることで、反り返りの予防にもつながります。抱っこの仕方や寝かせ方のアドバイスも行っていますので、育児がより楽になるお手伝いができればと思っています。
ほとんどの反り返りは心配いりませんが、以下のような症状が見られる場合は、早めに小児科や専門医に相談することをおすすめします。
といった様子が見られる時です。
これらの症状がある場合は、筋緊張の異常や神経系の問題が隠れている可能性もあります。早期に適切な対応をすることで、赤ちゃんの発達をサポートできますので、気になる症状があれば遠慮なく相談してくださいね。
赤ちゃんの反り返りは、成長のサインであったり、不快感の表現であったり、身体の緊張のサインであったりと、様々な意味を持っています。大切なのは、その反り返りが何を訴えているのかを理解して、適切に対応してあげることです。多くの場合は心配いりませんが、身体の緊張が原因の場合は、それをほぐしてあげることで赤ちゃんも楽になります。
もし赤ちゃんの反り返りが気になっているなら、一人で悩まずにいつでもご相談ください。身体の状態を丁寧にチェックして、お子さんに合った対処法をご提案いたします。抱っこや授乳がしやすくなると、育児もぐっと楽になりますよ。どんな小さな心配でも構いませんので、お気軽にお声がけくださいね。

