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赤ちゃんをうつぶせにすると、いつも同じ方向にしかくるくると回らない——そんなことが続いていませんか。「反対方向には全然回らない」「なんで一方向だけなのだろう」と気になりながらも、どうしたらいいか分からないまま日が過ぎてしまっている方も多いと思います。
実は赤ちゃんの体の発達において、うつぶせでの回転が一方向に偏ることは体の左右差のサインである場合があります。早い段階で気づいて適切なサポートをしてあげることで、その後のずりばい・ハイハイへの移行がスムーズになります。
この記事では、片側にしか回転しない原因と、親が日常の中ですぐに取り組めるサポートの具体的な方法をお伝えします。


日常の関わり方を少し変えるだけで変化が出てくることも多いです
うつぶせで自由に両方向へ回れるようになるためには、首・体幹・股関節の筋肉が左右バランスよく使えていることが必要です。片方向にしか回らない場合、体のどこかに「動きやすい側・動きにくい側」という左右差が生じています。その背景にある原因を理解することが、適切なサポートへの第一歩になります。
生後早い時期からいつも同じ方向を向いて寝ている赤ちゃんは、首の左右の筋肉に緊張の差が生まれやすくなります。向いている側の首の筋肉は縮んだ状態が続き、反対側は伸びた状態が続くため、首を動かしやすい方向と動かしにくい方向がはっきりしてきます。この筋緊張の偏りが、うつぶせでの回転方向の偏りとして現れることがあります。
首だけでなく、骨盤や体幹の筋肉に左右差がある場合も回転の方向に偏りが出ます。赤ちゃんの骨盤は非常に柔軟ですが、出産時の体の使われ方や日常の抱っこ・授乳の向きの偏りが積み重なることで、体幹の動きに左右差が生じることがあります。うつぶせで体をひねって回るときに、使いやすい側・力が入りやすい側に体が引っ張られます。
回転という動きには股関節の柔軟性も深く関わっています。片側の股関節の動きが制限されている場合、その側に足を踏み出して回転することが難しくなります。股関節の左右差は外から見ただけでは分かりにくいため、見過ごされやすいポイントです。
体の左右差は、日常の関わり方を少し意識するだけで変化が出てくることがあります。特別な道具は必要ありません。毎日のお世話や遊びの中に以下のサポートを取り入れてみてください。
片側にしか回らない赤ちゃんへの最も効果的な関わり方は、苦手な方向から赤ちゃんの興味を引くことです。うつぶせの状態で、普段回らない方向からガラガラや色鮮やかなおもちゃを見せてみてください。赤ちゃんが自分からそちらに向こうとする動きを引き出すことで、苦手な方向への首・体幹の動きが少しずつ促されます。1回あたり1〜2分、1日3〜5回を目安に続けることが大切です。
授乳はいつも同じ腕・同じ方向で行っていませんか。授乳や抱っこの向きを毎回意識して左右交互にすることで、赤ちゃんの首や体幹が両方向に動く機会を均等に作ることができます。「今日の午前は右、午後は左」という簡単なルールで十分です。小さな積み重ねが体の左右バランスに働きかけます。
ベッドや布団に赤ちゃんを寝かせるとき、頭の向きをいつも同じ方向にしていませんか。赤ちゃんは明るい方向・音のする方向に顔を向けようとするため、ベッドの向きや照明との位置関係によって自然と向き癖が強まることがあります。頭の位置を日によって交互に変えるだけで、同じ方向を向き続ける時間を分散させることができます。
入浴後や授乳後のリラックスしているタイミングで、赤ちゃんを仰向けに寝かせた状態でやさしく首を苦手な方向へ向けてみてください。決して力を加えて曲げようとするのではなく、赤ちゃんの首がゆっくり動く範囲でそっと添えるだけで十分です。痛がる様子や強い抵抗がある場合はすぐに中止し、専門家に相談してください。
日常のサポートを続けても片方向への偏りが変わらない場合、体の構造的なアンバランスが残っている可能性があります。親の関わりだけでは届きにくい部分に、専門的なアプローチが必要なケースもあります。
日常のサポートを2〜3週間続けても回転の偏りに変化が見られない場合、または以下のサインが見られる場合は早めに専門家へ相談することをおすすめします。
赤ちゃんへの施術は、大人の整体とはまったく異なります。乳幼児期の骨格はまだ非常に柔軟で、ごくわずかな圧で頚椎・骨盤・仙骨のアライメントを整えることができます。強い刺激は一切使わず、赤ちゃんが眠ったままでも施術できるほど穏やかなアプローチです。首の筋緊張の左右差や骨盤のゆがみが整うことで、回転方向の偏りや向き癖に変化が出てくることがあります。月齢が早いほど骨格の柔軟性が高く、体の変化が出やすい時期でもあります。
片側にしか回れない赤ちゃんの体には、何らかの理由で「動きやすい側・動きにくい側」という偏りが生じています。それは赤ちゃんのせいでも、育て方のせいでもありません。でも、気づいてサポートしてあげることで変わる可能性は十分にあります。「様子を見ていたら自然に治るかな」と一人で抱え込まず、気になることがあればいつでもご相談ください。赤ちゃんの体の状態を一緒に確認しながら、今できることを一緒に考えます。

