
院長:高木お気軽にご相談ください!
赤ちゃんの頭の成長って、どのくらい変化があるのでしょうか?生まれた瞬間からぐんぐん頭の大きさも形も変わっていくので、育児中のママ・パパや周囲のみなさんもとても気になるポイントですよね。
とくに「うちの子の頭の形はこのままで良いの?」「柔らかい部分はいつ閉じる?」と不安な声も多く、具体的な成長の仕組みや変化のタイミングが知りたくなるもの。今回は、赤ちゃんの頭の成長にまつわる大切なポイントを、分かりやすくまとめました。赤ちゃんの頭の形はこちらも参考にしてください。




少しでも不安があれば、どんなことでも一度ご相談ください。正しい時期の見守りとケアが、赤ちゃんの力強い成長をサポートします
赤ちゃんの頭に「柔らかい部分(大泉門・小泉門)」があるのは、2つの大切な理由があります。
まずひとつ目は「出産時に産道を通るため」。赤ちゃんの頭蓋骨は数枚の骨が隙間を空けてつながっているため、産道を通り抜ける際に柔軟に変形し、スムーズに生まれてくることができます。
ふたつ目は「脳が急速に成長するため」です。生まれてからの脳の成長はとても活発で、頭の骨がすぐにくっついてしまうと脳の発達空間が不足してしまう恐れがあります。大泉門や小泉門という“隙間”があることで、脳の成長に合わせて頭蓋骨もゆっくり広がり、健康な発達をサポートしています。
強く押したりしなければ日常のふれあいで問題になることは少なく、ごく自然な成長の一部として見守って大丈夫です。


赤ちゃんの後頭部側にある小泉門は、一般的に生後2〜3カ月ごろに自然と閉じます。
それに対して、おでこ側・頭頂部の大泉門は生後10カ月頃から徐々に小さくなり始め、1歳半から2歳ごろまでに完全に閉じるのが一般的です。最終的に15~18歳で頭の大きさは完成します。
いずれも個人差がありますが、ほとんどの場合2歳までには大泉門も閉鎖し、健やかな成長のひとつのサインとなります。成長に合わせて骨の結合部はかたくなり、脳や頭の発育が安定し大人と同じような頭蓋の形になります。
出生時の赤ちゃんの頭囲はだいたい32〜34cmほどです。そこから月齢ごとにぐんぐん大きくなり、6か月では約42cm、1歳で44〜47cm、2歳で約48〜49cm前後、5歳でほぼ大人に近い49〜52cmになるのが一般的です。
最初の1年はとりわけ成長が著しく、頭囲は毎月1cm前後増えますが、その後は徐々に増加が緩やかになり、成長曲線を描きながらゆっくり大きくなっていきます。また頭囲の平均値はあくまでも目安であり、多少大きい・小さいは遺伝や体格による個人差も大きいので、総合的な発達を見て判断しましょう。
頭頂部の大泉門が閉まるまでのあいだ、赤ちゃんの頭の柔らかい部分に触れて「大丈夫かな?」「何かあったらどうしよう」と不安に感じる方はとても多いです。でも、日常生活の中であまり神経質になりすぎる必要はありません。やさしく触れる程度であれば全く問題なく、普段の抱っこやシャンプー、お着替えなどでも特別な注意はほとんど必要ありません。
気をつけたいのは、「強い衝撃を与えない」ことと「爪や固いもので引っかかない」ことです。少しへこんだり膨らんだりするのは成長の証なので、過度に心配しなくても大丈夫です。赤ちゃんとたくさん目を合わせたり、声かけやスキンシップで頭部も優しくなでてあげることで、親子ともに安心できます。
また小泉門が閉まるまでは特に頭の形が簡単に変形しやすいので、いつも同じ頭の方向で寝かせるなど、同一方向からの圧迫にお気を付けください。
頭の骨は健やかな成長に合わせて自然に閉じていくため、見守る気持ちを大切に過ごしてください。ただし、いつもと違う気になる症状があるときはかかりつけ医などにご相談ください。
どの赤ちゃんにも成長の“個性”があり、成長曲線からやや外れてもほとんどが心配いらないものです。体の成長に合わせてゆっくりひとつづつ進めて大丈夫です。
不安な時は一人で悩みすぎず相談すること、健やかな頭の成長と形を正しく理解し、まわりと比べることなく、その子らしく毎日を見守る心の余裕がご家族みんなの力になります。

