
院長:高木お気軽にご相談ください!
こんにちは、赤ちゃんのお風呂上がりに頭をなでていて、「この柔らかいところは大丈夫かな」「へこんでいる気がする」「閉じるのが早いのか遅いのか分からない」と不安になったことはありませんか。同時に、後頭部の丸さや左右のふくらみなど、頭の形も気になってスマホで調べている、そんなママやパパも多いと思います。
もし今まさに同じように悩まれているなら、一度頭の形のページも合わせて読んでみてください。この記事では、大泉門と小泉門のこと、そして頭の形との関係についてお話ししていきます。


昔の自分が夜中にスマホで必死に検索していた気持ちを思い出しながら、今不安を抱えているママの味方になれるような内容を目指して書いていきます
まず最初に、「名前は聞いたことがあるけれど、どこを指しているのかよく分からない」という方も多いと思います。赤ちゃんの頭をそっと触ってみると、頭頂部の少し前寄りに、ペコペコとへこんでいる柔らかい部分があります。ここがいわゆる大泉門と呼ばれるところです。また、後頭部寄りの小さな柔らかい部分が小泉門と呼ばれますが、生まれてしばらくすると分からないくらいに小さくなっていくことがほとんどです。


この柔らかい部分は「骨がないから危ない」と思われがちですが、そうではありません。赤ちゃんの頭蓋骨はいくつかの骨がつながってできていて、そのつなぎ目に少し隙間が空いている場所が泉門です。この隙間があるおかげで、出産の時に頭の形を変えながら産道を通ることができ、産まれた後も急速に大きくなる脳の成長をきちんと受け止めることができます。つまり、怖いものではなく、赤ちゃんの成長のために用意された大切な「余裕」だと考えてもらえると安心しやすいかもしれません。
シャンプーやタオルドライのたびに、「強く触ってしまったかも」とドキッとすることはありませんか。実は、大泉門や小泉門は薄い膜でしっかり守られていて、優しく触れるくらいで傷つくことはありません。ゴシゴシこするように強い力で押したり、先のとがったもので突いてしまうのはNGですが、普通のシャンプーやなでる程度のタッチであれば心配しなくて大丈夫です。ドクンドクンと脈打つような感覚が伝わってくるのも、すぐ下に血管が走っているためで、健康な赤ちゃんにもよく見られる状態です。
次に気になるのが、「いつ閉じるのが普通なのか」という点です。閉じる時期にはかなり個人差がありますが、おおまかな目安を知っておくと、落ち着いて見守りやすくなります。
後頭部寄りの小さな泉門は、多くの赤ちゃんで生後すぐから数か月のうちに閉じていきます。健診のときに特に指摘されることも少なく、「小泉門というものを知らなかった」ということが多い場所です。早い子では生後1か月頃、ゆっくりな子でも生後数か月〜半年くらいまでには自然に狭くなっていきます。「うちの子は小泉門があるかどうか分からない」と感じても、必ずしも問題というわけではありません。
頭頂部前方の大きな泉門は、個人差がもっと大きい部分です。一般的には1歳前後から1歳半頃にかけてだんだん狭くなり、2歳くらいまでに閉じる子が多いと言われています。ただし、1歳前にほとんど分からないくらい小さくなる子もいれば、2歳を過ぎても少し触れる子もいます。数字だけを見て不安になるよりも、「頭囲の増え方」「発達の様子」「他の症状がないか」といった全体像を一緒に見ていくことが大切です。
泉門の大きさや閉じる時期は個人差が大きいため、「うちの子はどうなの?」と判断が難しいと感じる場面も多いですよね。ここでは、よくあるご相談のパターンを取り上げながら、どんな視点で考えればよいかをお伝えします。
生後半年くらいで大泉門がかなり小さく感じられたり、1歳前にほとんど触れなくなったように感じて不安になる方もいます。早めに閉じてきているように見えても、頭囲が成長曲線に沿ってしっかり増えていて、発達や機嫌にも特に問題がない場合、多くはその子なりのペースの範囲内と考えられます。一方で、頭囲の増え方が極端に少ない、頭の形がいびつで硬く盛り上がっているなどの場合は、小児科や専門外来で相談するようにしましょう。
1歳半〜2歳近くになっても大泉門がまだ触れると、「閉じるのが遅いのでは」と心配になる方も多いです。こちらも、頭囲の増え方が緩やかでも成長曲線の中におさまっている、発達も順調、他の症状も特に見られない場合は、個人差として経過を見ることも少なくありません。ただし、泉門がいつもパンパンに張っている、発熱や嘔吐、ぐったりしているなどの症状がある場合は、脳の圧が高くなっている可能性もあるため、速やかに医療機関を受診する必要があります。
大泉門がいつもより深くへこんでいるように見える場合、脱水のサインであることがあります。授乳や水分量、オムツの濡れ具合なども合わせてチェックしてみてください。逆に、明らかに盛り上がって固くなっている場合には、頭を打った後や発熱、嘔吐などがないかを確認し、心配な場合は早めに小児科や救急外来に相談しましょう。泉門だけを見て判断するのではなく、全身の状態とセットで考えることがとても大切です。
泉門の話をするとき、気になるのは頭の形との関係です。大泉門や小泉門は、頭蓋骨のつなぎ目にある柔らかい部分だとお伝えしましたが、これは「骨同士がまだ完全に固定されていない」ということでもあります。つまり、外からの圧や姿勢の癖の影響を受けやすい時期だということです。
向き癖が強く、いつも同じ側ばかり向いて寝ていると、その側の後頭部に長時間圧がかかり、平らになったり斜めになったりしやすくなります。泉門の開き具合や、頭蓋骨の柔らかさが残っている時期にこの状態が続くと、頭の形にも影響が出やすくなります。ここで大事なのは、泉門そのものをいじることではなく、「どうして同じ向きばかり向いてしまうのか」という原因に目を向けることです。
泉門が開いている時期は、「ここを守ろう」と意識しすぎて怖くなってしまうこともありますよね。でも本当に守りたいのは、泉門そのものというより、頭全体と中にいる脳、そして体全体のバランスです。首や背中の筋肉の緊張が強いと、どうしても楽な向きにばかり頭を預けてしまい、結果として頭の形にも偏りが出てしまいます。ですから、泉門を「触ってはいけない場所」として避けるだけでなく、赤ちゃんの姿勢や動きやすさを整えて頭全体の負担を減らしてあげることが、とても大切になってきます。
当院では、泉門そのものを押したり、骨を直接強く動かして形を変えるようなことは一切行っていません。行っているのは、首や背中、骨盤、股関節などのバランスを整えることで、赤ちゃんが自分でいろいろな姿勢をとりやすい状態をつくることです。
施術の中では、次のような点を意識して見ています。泉門の状態はあくまで「全体の一部」としてチェックしながら、その子がどんな姿勢を好みやすいか、どの方向に動きにくさを感じているかを丁寧に探っていきます。例えば、片側の首の筋肉がかたくなっていると、その側には向きにくく、反対ばかりを向くようになります。その状態が続くと、反対側の後頭部にばかり圧がかかり、形の偏りにつながります。施術で首や背中の緊張がゆるむと、赤ちゃん自身が左右どちらにも向きやすくなり、頭への圧も分散されていきます。
また、背中のそり返りが強い子は、仰向けに寝たときに後頭部に集中して体重がかかりやすくなります。骨盤や股関節まわりを含めて全体のバランスが整ってくると、仰向けだけでなく横向きやうつ伏せも楽になり、結果として頭の特定の場所にだけ圧がかかる時間が減っていきます。
これらは泉門を直接どうこうするわけではありませんが、開いている時期の頭を優しく守る環境づくりにつながると感じています。
泉門について検索しているママのお話を聞いていると、「柔らかい場所が不安」と同時に「頭の形も気になっている」ことがほとんどです。本来、この二つは切り離された話ではなく、同じ「頭とからだの成長」というテーマの中でつながっています。閉じる時期の目安や危険なサインを知ることはもちろん大切ですが、それと同じくらい、「この時期だからこそできるケア」があることも知っておいてほしいなと思います。
例えば、泉門がまだしっかり開いている0〜1歳前後は、首や背中のバランスを整えやすい時期でもあります。この時期に向き癖や反り返りなどをケアしておくことで、頭の形への一方的な負担を減らしやすくなります。大泉門や小泉門が閉じてからでもケアはできますが、その前の柔らかい時期ならではの「やさしい後押し」ができるのは大きなメリットです。
最後に、赤ちゃんの泉門や頭の形について心配になるのは、「ちゃんと守ってあげたい」という思いが強いからこそですよね。その気持ちは決して神経質すぎるわけでも、気にしすぎでもありません。むしろ、子どもの小さな変化に目を向けられる優しさだと感じています。
泉門のこと、頭の形のこと、向き癖や反り返りのこと、どれも一人で抱え込んでいると不安が膨らんでしまいがちです。この記事が、少しでも安心材料になってくれたらうれしいですし、「一度相談してみようかな」と思うきっかけになれたら幸いです。
湘南カイロ鎌倉整体院では、赤ちゃんの体だけでなく、ママやパパの心にも寄り添いながら、これからの成長を一緒に見守っていきたいと思っています。泉門や頭の形について少しでも心配なことがあれば、「こんなことで聞いていいのかな」と遠慮せず、いつでもご相談くださいね。一人で悩まなくて大丈夫です。

