
院長:高木お気軽にご相談ください!
出産を終えてホッとしたのも束の間、ふと赤ちゃんの頭をなでた時に「なんだか形がいびつかも…」とドキッとしたことはありませんか。特に吸引や帝王切開など、分娩の方法についても「影響があるのかな?」と不安に感じやすいですよね。
もし今、赤ちゃんの頭の形について心配があっていろいろ検索されているようであれば、まずは一度頭の形のページも参考にしてみてください。


出産方法に関わらず「この子の頭の形、大丈夫かな」と感じた時にこそ、専門的な視点から情報をお届けできたらいいなと思っています
出産の場面を思い出すと、あの強い陣痛といきみの中で赤ちゃんが産道を通ってきてくれたことがどれほど大変なことだったか、改めて感じる方も多いと思います。お母さんの骨盤の中を通るために、赤ちゃんの頭はギュッとつぶされるような力を受けながら少しずつ回旋し、外の世界へと出てきます。その時、頭蓋骨は重なり合うように形を変えてくれるので、無事に通り抜けることができるのです。


正常なお産でも、産まれた直後の頭の形が細長くなっていたり、一部が盛り上がっていたりすることは珍しくありません。これは頭蓋骨の縫合と呼ばれるつなぎ目が柔らかく、外からの力に合わせて形を変えられるからです。多くの場合は数日から数週間かけて少しずつ元に戻っていきますが、その過程で「本当にきれいな形になるのかな」と不安になるお気持ちもよく分かります。
吸引分娩や鉗子分娩という言葉を聞くと、「うちの子は特別強い負担がかかったのでは」と心配になる方もいますよね。吸引では赤ちゃんの頭にカップのような器具をつけて引き出し、鉗子では挟み込むようにしてサポートを行います。どちらも赤ちゃんとお母さんを安全に守るために必要な医療行為であり、決して「悪いお産」ではありません。
ただ、その際に限局した部分に強い力が加わるため、頭の一部が楕円形に引き伸ばされたり、こぶのような盛り上がりができたりすることがあります。見た目としては驚いてしまうかもしれませんが、多くは時間の経過とともに吸収されていきます。
一方で、その影響で向き癖がつきやすくなったり、頭の形の左右差が目立ちやすくなるケースもあるので、成長を見守りながら早めにケアしていくことが大切です。
帝王切開の場合は、産道を通らずにお腹から赤ちゃんを出すため、頭にかかる圧力のかかり方が自然分娩とは異なります。「だから帝王切開なら頭の形はきれいなはず」と思われがちですが、実際にはそうとも限りません。お腹の中での赤ちゃんの姿勢や、お母さんの子宮や骨盤の形、お腹の張りやすさなどでも頭への圧のかかり方は変わってきます。
同じお腹の中にいても、片側ばかりに寄っていたり、双子さんだったりすると、どちらか一方の側頭部に圧が集中しやすいことがあります。その結果、帝王切開でも後頭部が平らだったり、左右の膨らみに差が出ていることもあります。
つまり、分娩方法だけで頭の形を説明することはできず、妊娠中から生後の抱っこや寝かせ方まで、いくつかの要因が積み重なって今の形が作られていると考えた方がイメージしやすいと思います。
出産方法のことを気にされる方は多いですが、実は頭の形に影響する要素はほかにもたくさんあります。お腹の中にいた時の姿勢、生まれてからの向き癖、授乳のスタイル、寝る環境、抱っこの仕方など、毎日の生活の中で少しずつ積み重なっていきます。だからこそ、「あの時の分娩が悪かった」とご自分を責める必要は全くありません。
赤ちゃんの頭の形が部分的に平らになったり、片側だけへこみが強く見える場合でも、それは今までの癖や環境が映し出されているサインとも言えます。つまり、これからの姿勢や体の使い方を変えてあげることで、成長とともに形が整いやすい方向へ導いていくことができます。ここで大事なのは、頭だけを見るのではなく、首や背中、骨盤、全身のバランスを一緒に見ていくことです。
赤ちゃんがいつも同じ方向ばかり向いて寝ていると、その側の後頭部にばかり圧がかかり、平らになったり斜めになったりしやすくなります。向きを変えようとしても泣いて嫌がる場合、ただの好みというより、首や肩の筋肉がかたくなっていて動かしづらいことも少なくありません。同じ側ばかり見ていると、視界や手の動きも偏りやすく、発達の面でも左右差が出てしまう可能性があります。
このような時には、寝かせる向きだけを頑張って変えようとするより、そもそも首や背中の動きやすさを整えてあげる方がスムーズなことが多いです。体が柔らかく動きやすくなると、赤ちゃん自身が自然といろいろな方向を向くようになり、結果的に頭の形への圧のかかり方も分散されていきます。ここに整体でお手伝いできるポイントがあります。
施術自体は、とてもやさしいタッチで行います。赤ちゃんの頭そのものを強く押したり、形を直接変えるようなことはせず、首まわりや背中、骨盤まわりの緊張を少しずつゆるめていきます。そうすることで、赤ちゃんが左右どちらにもスムーズに首を向けられるようになり、寝ている時の体勢にもバリエーションが出てくるようになります。
動きのパターンが増えると、同じ場所にかかっていた圧力が分散され、時間とともに頭の形が整いやすい環境ができます。ここで大切なのは、頭の形だけにフォーカスするのではなく、全身のゆがみや動きやすさを一緒にサポートしていくことです。これは分娩方法に関わらず共通して大事なポイントだと日々感じています。
整体でのケアと同じくらい大切なのが、おうちでのちょっとした工夫です。抱っこの向きを毎回同じにしないことや、授乳の向きを左右で変えてあげること、赤ちゃんがご機嫌なタイミングでうつ伏せ遊びを少しずつ取り入れていくことなど、日常の中でできるサポートはたくさんあります。これらは分娩方法にかかわらず、生後すぐから意識できることです。
ただし、強引に頭を引っ張ったり、固い枕や器具で無理に形を変えようとするのはおすすめできません。赤ちゃんの頭蓋骨はまだ動きやすくデリケートなので、間違った方法で負担をかけてしまうと逆効果になることもあります。現在の頭の形を踏まえたうえで、どこまでがお家でできるケアで、どこからは専門家に任せた方がいいのか、一緒に考えていけると安心ですよね。
これまで多くのママとお話ししてきましたが、「吸引だったから」「帝王切開だったから」と自分を責めてしまう方は本当に多いです。でも、お産はどれも命がけで頑張った結果であり、どの方法も赤ちゃんとお母さんを守るために必要な選択です。過去を変えることはできませんが、今からの関わり方で赤ちゃんのからだはしなやかに変わっていく力を持っています。
分娩方法による影響はゼロではありませんが、頭の形を含め、赤ちゃんの成長はこれからの姿勢や動き方で大きく変わっていきます。だからこそ、「どう産んだか」よりも「今どう関わっていくか」が何より大切だと感じています。少しでも不安がある時には、一人で抱え込まず、からだのプロに頼ることも選択肢のひとつに入れてみてください。
当院では、赤ちゃんの頭の形に悩まれているご家族に対して、全身のバランスを確認したうえで施術プランをご提案しています。国家資格を持つスタッフが、痛みのない優しい方法で首や背中、骨盤などを整え、赤ちゃんが動きやすいからだになるようサポートしていきます。
また、おうちでの抱っこや寝かせ方、遊ばせ方についても、その子の状態に合わせて具体的にお伝えしています。「こうしておけばよかった」と後悔してほしくないという思いがあるからこそ、今の不安も含めて遠慮なくお話ししていただけたら嬉しいです。頭の形はもちろん、夜泣きや便秘、反り返りなどのお悩みにも一緒に向き合っていきましょう。
最後まで読んでくださりありがとうございます。この記事でお伝えしたかったのは、どんな出産方法であっても赤ちゃんの頭の形や体のバランスは、これからの関わり方で整いやすくなるということです。一人でスマホとにらめっこしながら不安を募らせるのではなく、少しでも気になることがあれば、いつでも相談できる場所があると知っていただけたら嬉しいです。湘南カイロ鎌倉整体院では、ママと赤ちゃんの気持ちに寄り添いながら、これからの成長を一緒に支えていきたいと思っています。

