
院長:高木お気軽にご相談ください!
寝ている赤ちゃんを横から見たとき、後頭部に丸みがなくて平らになっていることに気づいて、ハッとしたことはありませんか。上から見ると頭が前後に短くて横に広い印象があり、いわゆる「絶壁頭」になっていて、これって大丈夫なのかと心配になりますよね。


この後頭部が平らになっている状態は短頭症や扁平頭蓋と呼ばれ、仰向け寝を続けることで起こりやすい頭の形です。「成長とともに治る」と言われることもありますが、本当に自然に治るのか、何か対処した方がよいのか、判断に迷ってしまいますよね。今回は赤ちゃんの短頭症について、扁平頭蓋との違いや原因、自然改善の可能性、家庭でできるケアや専門的なアプローチまで詳しくお伝えしていきます。
短頭症は赤ちゃんの後頭部全体が平らになっている状態を指します。横から見ると後頭部に丸みがなく、まるで壁のように平らに見えることから「絶壁頭」とも言われています。上から見ると頭が前後に短く、左右に広い形になっているのが特徴です。医学的には位置的頭蓋変形症の一種で、多くの場合は寝る姿勢が原因で起こります。
短頭症と扁平頭蓋は、実は同じ状態を指す言葉として使われることが多いです。扁平頭蓋は「頭が平らになっている」という意味の広い言葉で、短頭症はその中でも特に「前後が短く横幅が広い」形を指す医学用語です。つまり短頭症は扁平頭蓋の中の一つのタイプということになります。どちらも後頭部が平らで絶壁のような状態を表しており、本質的には同じものと考えてよいでしょう。
頭の形の歪みにはいくつかのタイプがあります。短頭症は後頭部全体が平らになる状態ですが、斜頭症は後頭部の片側だけが平らになり、頭全体が斜めに歪んでいる状態です。長頭症は短頭症とは逆に前後に長く、横幅が狭い形になります。それぞれ原因や対処法が異なるため、まずはどのタイプなのかを見極めることが大切です。
多くの短頭症は位置的頭蓋変形と呼ばれ、寝る姿勢が原因で起こるものです。病気ではありません。ただし稀に頭蓋骨縫合早期癒合症という病気で後頭部が平らになることがあります。この場合は頭蓋骨の継ぎ目が早く閉じてしまうため、脳の成長に影響を与える可能性があり、医療的な介入が必要です。見分けるのは難しいため、心配な場合は専門医に相談することをおすすめします。
短頭症が起こる背景には、現代の育児環境が大きく関係しています。仰向け寝の推奨によって、後頭部に持続的な圧力がかかることが最も大きな原因です。その他にもいくつかの要因が重なっていることがあります。
乳幼児突然死症候群の予防のため、現在は仰向け寝が推奨されています。これは赤ちゃんの命を守るために大切なことですが、その一方で後頭部に圧力がかかり続けるため、短頭症が起こりやすくなっています。特に寝返りができない時期は、ずっと同じ姿勢で寝ることになるため、影響が大きいのです。
柔らかいマットレスや枕を使っていると、後頭部が沈み込んで圧力が集中しやすくなります。また起きている時間が少ない月齢では、1日の大半を仰向けで過ごすため、それだけ後頭部への圧力が長時間かかることになります。バウンサーやベビーシートなどの使用時間が長い場合も、同様に後頭部が圧迫されやすくなります。
実は短頭症の背景には、赤ちゃんの体の緊張や歪みが隠れていることがあります。首や背骨に緊張があると、特定の姿勢しか取れなくなり、結果として後頭部に圧力が集中してしまうのです。出産時の影響や胎内での姿勢によって、体全体のバランスが崩れていることもあります。
「成長とともに自然に治りますよ」と医師から言われることがありますが、実際にはどのくらいの赤ちゃんが自然改善するのでしょうか。首がすわり寝返りができるようになると改善傾向が見られますが、完全に丸くなるケースばかりではありません。
首がすわって寝返りができるようになると、赤ちゃんは自分で姿勢を変えられるようになります。そうすると後頭部への圧力が分散されるため、少しずつ頭の形が整っていくことがあります。特に生後4〜6か月頃から動きが活発になると、改善が見られやすくなります。
ただし残念ながら、自然に完全に丸くなるケースばかりではありません。特に短頭症の程度が強い場合や、生後6か月を過ぎてから気づいた場合は、頭蓋骨が徐々に硬くなり始めているため、改善には限界があります。髪が伸びれば目立ちにくくはなりますが、形そのものは残ってしまうことがあるのです。
短頭症自体が脳の発達や知能に影響を与えることはほとんどありません。ただし見た目のコンプレックスになる可能性があります。また将来的に帽子が合わない、枕が合わない、髪型が制限されるといった実用的な問題が出てくることもあります。
専門的な治療を受ける前に、まずはご家庭でできる簡単なケアから始めてみましょう。早めに対処することで、改善のスピードも早まります。
起きている時間にうつ伏せで遊ぶタミータイムは、後頭部への圧力を減らす最も効果的な方法です。1回数分を1日に数回、合計で月齢×10分を目標にして、うつ伏せの時間を作りましょう。最初は嫌がる赤ちゃんも多いですが、少しずつ慣れていきます。必ず目の届く場所で行い、赤ちゃんが疲れたらすぐに休憩させてください。また、目標時間はあくまで目安なので、赤ちゃんの様子を見ながら無理のない範囲で行ってください。
縦抱きや斜め抱きの時間を増やすことで、後頭部への圧力を減らすことができます。授乳のときも、寝かせたままではなく抱き上げて行うようにしましょう。バウンサーやベビーシートの使用時間を減らし、できるだけ人の手で抱っこする時間を増やすことが大切です。
仰向け寝は継続しながらも、頭の向きを左右に変えてあげることで、圧力がかかる部分を分散させることができます。授乳後に寝かせるときは右向き、次は左向きというように、意識的に向きを変えてあげましょう。ただし寝ているときに無理に動かすと窒息のリスクがあるため、起きているときや寝入る前に調整します。
家庭でのケアだけでは改善が難しい場合や、短頭症の程度が強い場合には、ヘルメット治療という選択肢があります。これは頭の形を矯正するための医療用ヘルメットを装着する治療法です。
ヘルメット治療は、赤ちゃんの頭の形に合わせて作られた専用ヘルメットを1日23時間装着し、頭の成長する力を利用して形を整えていく方法です。平らになっている部分にはスペースを作り、出っ張っている部分は抑えることで、徐々にバランスの取れた形に導いていきます。
ヘルメット治療は生後3〜6か月頃から開始するのが最も効果的とされています。遅くとも生後7か月頃までには開始した方がよいと言われており、それを過ぎると頭蓋骨が硬くなってしまうため、効果が限定的になります。治療期間は通常2〜6か月程度です。
ヘルメット治療は保険適用外となるため、費用は30〜50万円程度かかることが多いです。また夏場は蒸れやすい、定期的な通院が必要、ヘルメットのサイズ調整が必要などの注意点もあります。メリットとデメリットを十分に理解した上で検討することが大切です。
当院では短頭症を、単に後頭部が平らという問題だけでは捉えていません。赤ちゃんの体全体のバランスを整えることで、自然と頭の形も整いやすくなると考えています。
後頭部が平らになる背景には、首や背骨の緊張があることが多いのです。出産時の影響や胎内での姿勢によって、体全体に緊張が残っていると、特定の姿勢しか取れなくなります。当院では優しい手技でこれらの緊張をほぐし、赤ちゃんが自由に動けるようサポートしていきます。
頭の形は体全体のバランスと密接に関係しています。骨盤や股関節に歪みがあると、その上に乗っている背骨や首、そして頭の位置にも影響が出ます。当院では頭から足先までの全身を丁寧に検査し、根本的な原因から整えていくことを大切にしています。
赤ちゃんの体はとてもデリケートです。当院の施術は強い力を加えるのではなく、ごく軽い圧で体のバランスを整えていく優しい方法です。赤ちゃんが気持ちよく眠ってしまうほどソフトな施術ですので、安心してお任せください。
頭の形が変わりやすいのは生後6か月頃までで、特に生後2〜5か月頃が改善のゴールデンタイムです。この時期は頭蓋骨がまだ柔らかく、適切なケアをすることで比較的早く改善が期待できます。
生後6か月を過ぎると頭蓋骨が徐々に硬くなり始めるため、改善には時間がかかるようになります。ただし1歳頃までは改善の可能性が十分にあるため、諦める必要はありません。気になったらできるだけ早めに専門家に相談することで、選択肢も広がります。
赤ちゃんの後頭部が平らになっている短頭症は、仰向け寝を続けることで起こりやすい頭の形です。扁平頭蓋とほぼ同じ意味で使われており、どちらも絶壁頭と呼ばれる状態を指します。首がすわって寝返りができるようになると改善傾向が見られますが、完全に丸くなるケースばかりではありません。特に短頭症の程度が強い場合や生後6か月を過ぎている場合は、自然改善を待つだけでなく、積極的なケアが必要です。
家庭でできるタミータイムや抱っこの工夫から始めて、必要に応じてヘルメット治療や整体などの専門的なサポートを受けることで、頭の形は今の状態よりも改善していきます。大切なのは早めに気づいて、早めに対処することです。頭蓋骨が柔らかい時期だからこそできるケアがあります。
「様子を見ましょう」と言われても心配な方、どこから始めたらよいかわからない方は、一人で悩まずにいつでもお気軽にご相談ください。赤ちゃんの健やかな成長を、一緒にサポートしていきましょう。

