
院長:高木お気軽にご相談ください!
突然ぎっくり腰になってしまった時、慢性的な腰痛がひどくなった時、皆さんは冷やすべきか温めるべきか迷ったことはありませんか。この判断を間違えると、かえって痛みが悪化してしまうこともあるため注意が必要です。
実は当院にも「冷やしたら余計に痛くなった」「温めてしまって悪化させた」という方が時々いらっしゃいます。腰痛の状態によって適切な対処法は全く異なるため、正しい知識を持っておくことがとても大切なのです。


急性期と慢性期では対処法が正反対になります。症状の見極めが痛みを早く改善する鍵となります
今日は長年多くの患者さんを診てきた経験から、腰痛を冷やすべきか温めるべきかの判断基準、正しい冷やし方、そして温めに切り替えるタイミングについて詳しくお伝えしていきます。
腰痛の対処法を考える上で最も重要なのが、急性期の腰痛なのか慢性期の腰痛なのかを見極めることです。急性期とは炎症が起きている状態で、この時期は冷やすことで炎症を抑え、痛みを和らげることができます。一方で慢性期は炎症が落ち着いている状態で、血流を促進して筋肉の緊張をほぐすために温めることが効果的なのです。
急性期と慢性期を見分けるポイントはいくつかあります。まず発症からの時間です。突然の激しい痛みが出てから48時間から72時間以内は急性期と考えられます。重い物を持ち上げた瞬間に激痛が走った、朝起き上がろうとした時にギクッとなったといった、はっきりとした発症のタイミングがある場合がこれに当たります。
また痛みの性質も重要な判断材料です。鋭い痛み、針で刺すような痛み、ズキズキと脈打つような痛みがある場合は炎症が起きている可能性が高いです。患部が熱を持っている感覚がある、触ると温かい、腫れているように感じる場合も炎症のサインです。このような症状がある時は冷やすことで炎症を抑えることが最優先となります。
一方で数週間から数ヶ月続いている慢性的な腰痛の場合は、炎症よりも筋肉の緊張や血行不良が主な原因となっていることが多いです。鈍い重だるい痛み、張ったような感じ、朝起きた時に硬くなっている感覚がある場合は、温めることで血流を改善し、筋肉をほぐすことが効果的です。
また動き始めは痛いけれど、動いているうちに楽になってくるという場合も、温めた方が良いサインです。お風呂に入ると楽になる、カイロを貼ると調子が良いという経験がある方は、温める対処法が合っているといえるでしょう。
それでは冷やすべき急性期の腰痛に対して、具体的にどのように冷やせば良いのかをお伝えします。最も基本的な方法は氷嚢を使ったアイシングです。氷嚢がない場合は、ビニール袋に氷と少量の水を入れたもの、または保冷剤をタオルで包んだもので代用できます。
冷やす時間は一回につき10分から15分程度が目安です。それ以上長く冷やし続けると、逆に血行が悪くなりすぎて治癒が遅れてしまう可能性があります。10分から15分冷やしたら、30分から1時間は休憩して患部を常温に戻し、また冷やすというサイクルを繰り返します。発症直後の急性期であれば、このサイクルを1日に4回から6回程度行うと効果的です。
冷やす場所は、痛みの中心、つまり最も痛みを強く感じる部分です。ぎっくり腰の場合は腰の下部、背骨の両脇あたりが痛みの中心となることが多いです。氷嚢は直接肌に当てず、必ず薄いタオルを一枚挟むようにしてください。凍傷を防ぐためです。
冬場など気温が低い時期に冷やす場合は、体全体が冷えすぎないように注意が必要です。患部だけを局所的に冷やし、その他の部分は毛布などで保温するようにしてください。部屋を暖かくした状態で、腰の患部だけを集中的に冷やすイメージです。体が冷えると筋肉が緊張して、かえって痛みが増すこともあるからです。
多くの方が迷われるのが「いつまで冷やし続ければいいのか」「いつから温めに切り替えるべきか」という点です。一般的には発症から48時間から72時間、つまり2日から3日間は冷やす期間と考えます。この期間は炎症反応が最も活発な時期なので、冷やすことで炎症を抑えることが重要なのです。
温めへの切り替えタイミングを見極めるサインがいくつかあります。まず鋭い痛みが落ち着いて、鈍い痛みに変わってきた時です。患部の熱感が引いて、触っても温かくない、または腫れている感じがなくなってきた時も切り替えのサインです。また痛みのピークを過ぎて、少しずつ動けるようになってきた段階も、温めに移行する良いタイミングといえます。
ただしこれはあくまで目安であり、個人差があります。3日経っても強い痛みが続いている場合や、患部が熱を持っている感覚がある場合は、もう少し冷やす期間を延長した方が良いこともあります。自分の身体の状態をよく観察しながら判断することが大切です。
正しい冷やし方と同様に、やってはいけないことも知っておく必要があります。まず長時間連続で冷やし続けることは避けてください。30分以上連続で冷やすと、血行が悪くなりすぎて組織の回復が遅れてしまいます。また凍傷のリスクも高まります。
また湿布だけで対処しようとするのも、急性期の強い炎症には十分ではありません。湿布には冷感タイプと温感タイプがありますが、冷感湿布はメントールなどの成分で冷たく感じるだけで、実際に患部を冷やす効果は氷嚢ほど強くありません。急性期の激しい痛みに対しては、しっかりとアイシングを行うことが重要です。
さらに急性期に無理に動いたり、ストレッチをしたりすることも避けるべきです。炎症が起きている状態で無理に動かすと、損傷を広げてしまう可能性があります。急性期の基本は安静と冷却です。動けるようになってきた段階で、徐々に動きを取り入れていくのが正しい流れです。
もし急性期の炎症がある状態で温めてしまうとどうなるでしょうか。温めることで血流が促進されると、炎症反応がさらに強くなり、痛みや腫れが増してしまいます。お風呂に入ったら痛みが強くなった、カイロを貼ったら悪化したという場合は、炎症がある急性期だった可能性が高いです。
逆に慢性期の血行不良による腰痛を冷やしてしまうと、筋肉がさらに硬くなり、血流が悪化して痛みが増すことがあります。冷やしたら余計に痛くなった、動けなくなったという場合は、温めるべき慢性期だった可能性があります。
急性期を過ぎて痛みが落ち着いてきたら、次は温めと適度な運動の段階に入ります。入浴で身体全体を温めたり、ホットパックやカイロで患部を温めたりすることが効果的です。ただし温めすぎにも注意が必要で、低温やけどを防ぐため、カイロを直接肌に当てないようにしてください。
また痛みが落ち着いてきた段階で、軽いストレッチや体操を始めることも回復を早めます。ただし無理は禁物で、痛みが出ない範囲でゆっくりと行うことが大切です。急に激しい運動をすると再発のリスクがあるため、段階的に活動量を増やしていくようにしましょう。
当院では、腰痛の状態を詳しく評価し、今どの段階にあるのかを見極めた上で適切な施術とアドバイスを提供しています。急性期で炎症が強い場合は無理な施術は行わず、安静と冷却の指導を中心に行います。炎症が落ち着いた段階で、骨格の調整や筋肉の緊張緩和の施術を始めていきます。
また再発予防のための姿勢指導や、日常生活での注意点もお伝えしています。ぎっくり腰を繰り返す方の多くは、骨盤の歪みや姿勢の問題を抱えているため、根本的な改善を目指すことが大切です。
腰痛が起きた時、冷やすべきか温めるべきかの判断は、回復の速度を大きく左右します。基本的には急性期は冷やす、慢性期は温めるという原則を覚えておいてください。ただし迷った時や、痛みが強くて判断できない時は、無理に自己判断せず専門家に相談することをおすすめします。一人で悩まず、どんな些細なことでも構いませんので、お気軽にご相談ください。あなたの腰痛が一日も早く改善するよう、全力でサポートさせていただきます

