
院長:高木お気軽にご相談ください!


生まれたばかりの我が子を見たとき、頭が思ったより細長くて驚いたことはありませんか。産院では「自然に治りますよ」と言われたものの、本当に丸くなるのか、このままずっとこの形だったらどうしようと不安な夜を過ごしているママも多いのではないでしょうか。
赤ちゃんの頭が前後に長い状態は、出産の過程や生後の寝かせ方によって起こることが多く、多くの場合は成長とともに改善していきます。ただし中にはケアが必要なケースもあるため、正しい知識を持っておくことが大切です。今回は赤ちゃんの頭が長くなる原因や、いつ頃丸くなるのか、家庭でできるケアについて詳しくお伝えしていきます。

他のお子さんの頭を見る機会もあまり無いので心配になりますよね
赤ちゃんの頭を見て、「後ろに長い気がする」「横幅が狭く見える」「頭の形が縦長に見える」と不安になることがあります。
生まれて間もない時期は、出産時の影響や寝ている向き、頭のやわらかさなどによって、頭の形が丸く見えにくいことがあります。そのため、頭が長く見えるだけで、すぐに問題があると決めつける必要はありません。
ただし、同じ向きばかりで寝ている、横から見ると後頭部が長く見える、上から見ると頭の幅が狭く感じるなど、気になる状態が続く場合は、頭の形だけでなく、向き癖や体の使い方も合わせて見ていくことが大切です。
長頭症とは、頭の前後方向が長く見え、横幅が狭く見える頭の形を指す言葉です。横から見ると楕円形のような形で、後頭部が後ろに突き出ていたり、おでこが前に出ていたりする見た目になることがあります。ラグビーボールのような形と表現されることもあります。
ただし、赤ちゃんの頭が少し長く見えるからといって、必ず長頭症と判断できるわけではありません。頭の形は、出産時の影響、寝る向き、向き癖、うつ伏せや抱っこの時間、体の使い方など、さまざまな要素で見え方が変わります。
大切なのは、「頭が長いかどうか」だけを見るのではなく、左右差、向き癖、首の向きやすさ、うつ伏せでの姿勢なども合わせて確認することです。インターネット上の写真や説明だけで判断しようとすると、不安が大きくなりやすいものです。気になる場合は、写真を残して変化を見たり、健診や専門家への相談時に確認してもらうと状況を整理しやすくなります。
長頭症という名前がついていると「うちの子は病気なの?」と心配になってしまいますよね。多くの場合、長頭症は病気ではなく、頭の形のバリエーションのひとつとして見られることがあります。頭蓋骨がまだ柔らかい赤ちゃんの時期に、外からの圧力によって形が変わってしまうことがあるのです。
ただし稀に頭蓋骨縫合早期癒合症という病気で頭が長くなることがあります。これは頭蓋骨の継ぎ目が早く閉じてしまうことで、脳の成長に影響を与える可能性がある疾患です。この場合は医療的な確認が必要になるため、気になる場合は早めに専門医に相談することをおすすめします。
長頭症は決して珍しいものではありません。特に吸引分娩や鉗子分娩で生まれた赤ちゃん、難産だった赤ちゃん、NICUで長期間横向きに寝かされていた赤ちゃんなどによく見られます。出産直後は多くの赤ちゃんに何らかの頭の変形があり、その中でも長頭型は比較的多いパターンです。
赤ちゃんの頭が細長くなるのには、いくつかの原因があります。出産時の影響と生後の環境、両方が関係していることが多いため、それぞれ詳しく見ていきましょう。
自然分娩で生まれる赤ちゃんは、狭い産道を通り抜けるときに頭が圧迫されます。赤ちゃんの頭蓋骨は複数の骨が重なり合うようにできていて、産道を通るときには骨同士が少しずれることで形を変えながら進んでいきます。この過程で頭が前後に長くなることがあるのです。
特に初産の場合は産道が硬く、分娩に時間がかかることが多いため、頭への圧力も大きくなりやすい傾向があります。また骨盤が狭い、赤ちゃんが大きいなどの理由で難産になった場合も、頭の変形が強く出ることがあります。
お産の最後の段階で吸引カップや鉗子を使って赤ちゃんを引き出す処置を受けた場合、頭に直接的な力が加わるため、前後に長い形になりやすいです。吸引分娩では頭頂部が引っ張られることで縦長の形になり、鉗子分娩では頭の両側から圧迫されるため前後方向に伸びやすくなります。
これらの処置は母子の安全のために必要な医療行為ですから、自分を責める必要はまったくありません。ただし吸引や鉗子を使った場合は、自然分娩のみの場合に比べて頭の変形が強く出やすく、元に戻るまでに時間がかかることがあります。
出産時には問題がなくても、生まれてから横向きばかりで寝ていると、頭が前後に長くなることがあります。特にNICUに入院していた赤ちゃんや、低出生体重児で生まれた赤ちゃんは、医療上の理由で横向きに寝かされることが多く、その影響で長頭になりやすい傾向があります。
また向き癖が強い赤ちゃんも要注意です。いつも同じ方向を向いて寝ていると、下になっている側が平らになり、頭全体のバランスが崩れて長頭と斜頭が組み合わさった形になることもあります。
お母さんのお腹の中にいるときの姿勢も、頭の形に影響することがあります。子宮の形や胎盤の位置、羊水の量などによって、赤ちゃんが特定の姿勢で長時間過ごすと、その圧力で頭の形が変わることがあるのです。双子や三つ子の場合は、子宮内のスペースが限られるため、頭が長くなりやすい傾向があります。
一番気になるのは「いつになったら丸くなるの?」ということですよね。頭の形が変わりやすいのは生後6か月頃までで、特に生後3〜4か月頃が改善のゴールデンタイムと言われています。
出産時の圧迫によって頭が長くなった場合、多くは生後1〜3か月頃には目立たなくなっていきます。頭蓋骨の骨がまだつながっていないため、脳が成長する力で内側から押し広げられ、自然と丸みを帯びていくのです。また首がすわって寝返りが始まると、頭にかかる圧力が分散されるため、さらに形が整っていきます。
一方で生後3か月を過ぎても長頭が改善しない場合、生後になってから横向き寝で長頭になった場合、向き癖が強くて常に同じ姿勢でいる場合などは、自然改善を待つだけでなく、寝かせ方や抱っこ、向き癖へのケアを見直すことで変化のきっかけになることがあります。生後6か月を過ぎると頭蓋骨が徐々に硬くなり始めるため、それまでにケアを始めることが理想的です。
1歳を過ぎると頭蓋骨がかなり硬くなり、形を変えるのが難しくなってきます。ただし2歳頃までは少しずつ改善の可能性があるため、諦める必要はありません。また髪が伸びてくると見た目上も目立ちにくくなり、気にならなくなることも多いです。
病院に行く前に、まずはご家庭でできる簡単なケアから始めてみましょう。日々のちょっとした工夫で、頭の形は少しずつ変わっていきます。
長頭を改善するには、仰向けで寝かせる時間を増やすことが大切です。横向きばかりで寝ていると長頭が進行してしまうため、起きているときはできるだけ仰向けにして、頭の後ろ側にも圧力がかかるようにしましょう。ただし寝ているときに無理に姿勢を変えると窒息のリスクがあるため、寝入ったら自然な姿勢に任せてください。
起きている時間にうつ伏せで遊ぶ時間を作ることを、タミータイムと呼びます。うつ伏せの姿勢では頭の後ろ側に圧力がかからないため、長頭の改善に効果的です。また首や背中の筋肉を鍛えることにもつながり、発達面でもメリットがたくさんあります。最初は1日数分から始めて、徐々に時間を延ばしていきましょう。
赤ちゃんがいつも同じ方向を向いてしまうのは、その方向に興味を引くものがあるからです。ベビーベッドの位置を変えてみたり、おもちゃを置く場所を工夫したりすることで、自然と反対側を向く時間が増えていきます。授乳のときも左右交互に抱っこすることを意識してみてください。
横抱きばかりだと頭の側面に圧力がかかり続けるため、縦抱きの時間を増やすことも効果的です。縦抱きにすることで頭への圧力が分散され、首の筋肉を使う練習にもなります。ただし首がすわっていない時期は、しっかりと頭を支えてあげてくださいね。
当院では赤ちゃんの頭の形のケアを、単に頭だけの問題としては捉えていません。頭の形が長くなっている赤ちゃんを検査してみると、多くの場合で向き癖があり、首や背骨、骨盤にも左右差が見られます。
向き癖は単なる癖ではなく、首の筋肉の緊張や背骨の歪みが関係していることがあります。当院では優しい手技で首や背骨の緊張を確認し、左右の向きやすさや体の使い方を見ていきます。向き癖が変化すると、寝る姿勢のバリエーションが増え、頭にかかる圧力が分散しやすくなることがあります。
出産時の影響は頭だけでなく、全身に残っていることがあります。骨盤や背骨に歪みがあると、その上に乗っている頭の位置にも影響が出ます。当院では頭から足先までの全身のバランスを丁寧にチェックし、体の使い方や姿勢のくせを確認していくことを大切にしています。
赤ちゃんの体はとてもデリケートです。当院の施術は強い力を加えるのではなく、ごく軽い圧で体のバランスを確認していく優しい方法です。国家資格を持つ施術者が、一人ひとりの赤ちゃんの状態に合わせて丁寧に見ていきますので、安心してご相談ください。
頭が長く見えることだけで、すぐに問題があるとは限りません。ただ、次のような様子が重なる場合は、頭の形だけでなく赤ちゃん全体の姿勢や発達の流れも確認しておくと安心です。
このような様子があるからといって、原因を一つに決めることはできません。まずは日常の中で、寝る向き、抱っこ、うつ伏せの姿勢、左右の向きやすさを整理してみましょう。
赤ちゃんの頭が前後に長い状態は、多くの場合は出産時の圧迫や生後の寝かせ方が関係して起こります。自然に改善していくケースも多いですが、向き癖や体の使い方が関係している場合は、早めに寝かせ方や抱っこの工夫を見直しておくと安心です。
頭の形は赤ちゃんの体からのメッセージかもしれません。周りと比べて焦ったり、自分の選択が間違っていたのではと悩んだりすることもあると思いますが、一人で抱え込まず、気になることがあればいつでもお気軽にご相談ください。赤ちゃんの健やかな成長を、一緒にサポートしていきましょう。



