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おむつを替えているとき、ふと「あれ、おしりの形が左右で違う気がする」と気になったことはありませんか。片方のおしりが少し大きく見える、寝かせると片側が浮いている、しわの数が左右で違う——そんな気づきをきっかけに、「股関節に問題があるのでは」「骨盤がゆがんでいるのでは」と心配になってしまうママはとても多いです。
赤ちゃんのおしりのゆがみや左右差は、多くの場合、股関節そのものではなく骨盤の傾きや体幹のバランスの偏り、そして向き癖が重なって起きています。原因を正しく理解することで、今すぐできることが見えてきます。
この記事では、赤ちゃんのおしりに左右差が生まれる仕組み、股関節脱臼との見分け方、そして骨盤のバランスを整えるためのケアについてお伝えします。


おしりのしわの左右差は多くのママが気になるポイントです。
赤ちゃんのおしりの形や高さに左右差が出る場合、その多くは骨盤・体幹・股関節まわりの筋肉のバランスの偏りが関係しています。体の土台となる骨盤が左右均等な状態でなければ、その上に乗っているすべての部位——腰・背骨・肩・頭の位置——にもズレが生じていきます。赤ちゃんの体は大人以上に柔軟で影響を受けやすいため、日常の姿勢や向き癖の積み重ねが体の形として現れやすいのです。
生後まもなくから続いている向き癖は、首の筋肉だけでなく体幹・骨盤まわりの筋肉にも左右差を作っていきます。常に同じ方向を向いて寝ていると、向いている側の体の筋肉が優位に発達し、反対側は使われにくいまま月齢が進んでいきます。骨盤の片側が引っ張られるような筋肉の偏りが続くと、骨盤自体が傾いた状態が定着し、おしりの見た目の左右差となって現れることがあります。
赤ちゃんの骨盤のバランスは、生まれた直後から偏りが出ていることがあります。長時間の分娩・吸引分娩・帝王切開などの出産時の負担や、胎内で長期間取っていた姿勢が、骨盤周辺の筋肉や関節の使い方に影響を残すことがあります。「向き癖の原因が分からない」という場合は、こうした出産前後の体への影響が関係していることもあります。
授乳のたびに同じ側で抱く・常に同じ側を下にして横向きで寝かせる・バウンサーやチャイルドシートで体が傾いた状態が続くなど、日常の姿勢の積み重ねも体の左右差を強化することがあります。一つひとつは小さなことでも、毎日繰り返すことで体のパターンとして定着していきます。
育児書や健診のチェックリストに「おしりのしわの左右差は股関節脱臼のサインかもしれない」と書かれているため、おしりの非対称に気づいたときに強い不安を感じるママは少なくありません。確かに股関節脱臼でもしわの左右差が見られることはありますが、しわの左右差だけで脱臼を判断することはできません。体の使い方の偏りや筋肉のバランスでも同様の見た目になることが多いです。以下の観察ポイントを参考にしてみてください。
以下の状態が見られる場合は、股関節脱臼の可能性も含めて小児科または整形外科への受診を優先してください。仰向けに寝かせて両膝を曲げたとき膝の高さが明らかに左右で異なる・股関節を開こうとすると片側だけ開きにくい・歩き始めた後に片側の足を引きずる様子がある、これらが見られる場合は専門的な診察が必要です。
両膝を曲げたときの高さに大きな差がない・股関節の可動域に左右差がない・足の長さに明らかな差がない、という場合は股関節脱臼の可能性は低く、体の使い方のパターンや筋肉のバランスが原因である可能性が高いです。この場合は体のバランスを整えるアプローチで改善することが期待できます。
「今は赤ちゃんだから多少ゆがんでいても大丈夫」と思っているママもいるかもしれませんが、骨盤のバランスの偏りは放置すると発達の各段階に影響を与えることがあります。骨盤は体の土台ですので、ここが傾いた状態が続くと体全体の使い方のパターンとして定着していく可能性があります。
骨盤のバランスが偏っていると、ずりばいやハイハイで片側だけ使うパターンが定着しやすくなります。片足ずりばいや非対称なハイハイが続いている場合、その背景に骨盤の傾きが関係していることがあります。ずりばい・ハイハイの時期に体のバランスを整えておくことは、お座り・たっち・歩行へとスムーズに発達するための土台を作ることにつながります。
乳幼児期の体の使い方のパターンは、幼児期・学童期の姿勢の癖として残ることがあります。骨盤のバランスが偏ったまま体幹が発達すると、脊柱側弯・猫背・O脚など姿勢の問題として現れることもあります。早い段階で体の土台を整えることは、長期的な意味でも赤ちゃんの体にとってプラスになります。
骨盤のバランスや体幹の左右差が気になったとき、日常の関わり方の中で改善を促すことができます。特別な道具は必要ありません。毎日のおむつ替えや抱っこの中に少しずつ取り入れながら、赤ちゃんの体が左右均等に使われる環境を作ることを意識してみてください。
授乳のたびに左右交互に抱くようにすること、縦抱きの際に体が傾かないよう左右どちらの腕でも抱けるよう練習することが、体への偏った力のかかり方を減らす助けになります。「利き手側でしか抱っこできない」という場合は、苦手な側を少しずつ練習してみてください。
向き癖がある方向と反対側からおもちゃを見せたり声をかけたりして、苦手な方向への首の動きを促します。寝かせるときも毎回同じ向きにならないよう、頭の向きを意識して変えることが骨盤への偏った圧力を減らすことにつながります。
おむつを替えるたびに両足首を優しく持って膝を曲げ伸ばしする・股関節を開くように両膝をゆっくり外側に開くなど、股関節まわりを左右均等に動かす習慣をつけることが、骨盤まわりの柔軟性を保つ助けになります。強く押したり引っ張ったりせず、「気持ちよさそうに動く範囲」で行うことが大切です。
向き癖が長期間続いていた・骨盤の傾きが強い・セルフケアを続けても変化が感じられないという場合は、体の土台から整えることを検討してみてください。当院のベビー整体では、赤ちゃんの骨盤・背骨・股関節まわりの筋肉の状態をていねいに確認しながら、5gタッチと呼ばれる極めて軽い刺激で体のバランスを整えていきます。施術の後はご自宅で続けられるホームケアもお伝えしていますので、毎日の育児に取り入れていただけます。
赤ちゃんのおしりの左右差に気づいて不安を感じているなら、その気づきを大切にしてほしいと思います。「気にしすぎかな」と思う必要はありません。体の土台を早い段階で整えてあげることは、その後の発達をスムーズに進める上でとても大切なことです。股関節のこと、骨盤のバランスのこと、向き癖のこと、どんな些細なことでも一人で抱え込まずにいつでもご相談ください。一緒に赤ちゃんの成長を見守っていきましょう。

