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産後の手首や指が痛い、育児動作との関係

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赤ちゃんを抱き上げた瞬間に手首がズキッとする、授乳中に親指の付け根がつらい、朝になると指がこわばる。そんな痛みに悩んでいませんか。

赤ちゃんのお世話は待ってくれないため、痛くても手を休められず、いつの間にか症状が強くなってしまう方は少なくありません。今回は、産後に起こりやすい腱鞘炎と、毎日の育児動作の関係についてお伝えします。

抱っこをしたいのに痛みがあると、赤ちゃんを支えること自体が怖くなってしまいますよね。まずは、なぜ産後に手首や指の痛みが起こりやすいのかを整理していきましょう。

院長:高木

手首の痛みは抱っこを頑張っている証でもあります

目次

産後に手首や指が痛みやすい理由

産後に手首や指の痛みが起こりやすいのは、単純な使い過ぎだけが理由ではありません。出産後の体はホルモンバランスが大きく変わり、関節や腱を支える組織が普段より不安定になりやすい時期です。

妊娠中から産後にかけては、出産のために体をゆるめる働きを持つホルモンの影響を受けます。その影響が残る中で、赤ちゃんの頭や体を毎日何度も支えることになるため、手首や指への負担が重なりやすくなります。

赤ちゃんは日ごとに体重が増えます。生まれた直後は軽く感じていた抱っこも、数週間から数か月が経つと、手首だけで支えるには大きな負担になることがあります。

産後の手首や指の痛みは、体が不安定になりやすい時期に、抱っこや授乳など同じ手の使い方を何度も繰り返すことで起こりやすくなります

これは、お母さんの抱き方が悪いという意味ではありません。赤ちゃんを安全に支えようとするほど、親指や手首に力が入りやすくなるためです。

腱鞘炎とはどのような状態か

手首や指には、指を曲げ伸ばしするための腱が通っています。その腱が通るトンネルのような部分を腱鞘と呼びます。腱と腱鞘の間で摩擦が繰り返されると、炎症が起こり、動かした時の痛みや腫れにつながることがあります。

特に親指の付け根から手首にかけて痛みが出る場合は、親指を広げたり動かしたりする腱に負担がかかっていることがあります。抱き上げる動作や、赤ちゃんの頭を支える姿勢で痛みが増えやすいのが特徴です。

また、朝に指がこわばる、曲げ伸ばしする時に引っかかる、指がカクンとはじけるように動く場合は、ばね指のような症状が関係していることもあります。

負担がかかりやすい育児動作

産後の手首や指は、特別な動作をした時だけ痛むわけではありません。毎日当たり前に行っている抱っこ、授乳、おむつ替え、沐浴などが積み重なり、気づかないうちに負担が増えていきます。

特に首がすわる前の赤ちゃんは、頭と首をしっかり支える必要があります。そのため、手首を反らせたまま親指を広げ、赤ちゃんの頭を持ち上げる姿勢になりやすいです。

  • ベッドや床から赤ちゃんを抱き上げる時
  • 授乳中に赤ちゃんの頭を片手で支え続ける時
  • 沐浴で首の後ろを支える時
  • おむつ替えで両足を持ち上げる時
  • 寝かしつけで同じ側の腕に抱き続ける時

これらの動作に共通するのは、手首を反らせたまま親指側に力が入りやすいことです。赤ちゃんがずり落ちないようにと力を込めるほど、手首と親指の付け根へ負担が集中します。

抱っこで親指に力が集まる理由

赤ちゃんを抱き上げる時、多くの方は脇の下や背中に手を入れ、親指を開いて体を支えます。この時、親指と人差し指の間を大きく広げた姿勢が続くと、親指側の腱に負担がかかりやすくなります。

さらに手首が反ったまま赤ちゃんの重さを受けると、手のひらだけで支えるよりも関節への負担が増えます。抱っこの回数が多い産後は、少しの負担でも積み重なりやすい時期です。

痛みを減らす抱っこと手の使い方

赤ちゃんのお世話をしている中で、手首を全く使わないことは難しいと思います。だからこそ、手首だけで頑張らず、腕や体全体で重さを受ける工夫が大切になります。

赤ちゃんを抱き上げる時は、手首を反らせて持ち上げるのではなく、できるだけ赤ちゃんを自分の体に近づけてから、肘や前腕も使って支える意識を持ってみてください。

親指だけで抱え込むのではなく、手のひら全体で背中やお尻を支えると、力が一点に集中しにくくなります。抱き上げる前に、赤ちゃんの体を少し自分側へ寄せるだけでも、手首への負担は変わります。

育児の場面手首への負担を減らす工夫
抱っこ赤ちゃんを体に近づけ、前腕と肘で重さを支える
授乳授乳クッションを使い、手首だけで頭を支えない
沐浴手首を反らせず、腕全体で首と背中を支える
おむつ替え足首だけをつかまず、お尻の下に手を入れて支える
寝かしつけ左右の腕を交互に使い、同じ側へ負担を集中させない

抱っこひもや授乳クッションなどの道具に頼ることは、手を抜くことではなく、お母さんの体を守るための大切な工夫です

セルフケアで気をつけたいこと

手首が痛むと、強く揉んだり、痛みを我慢してストレッチしたりしたくなるかもしれません。しかし、炎症が強い時に無理に動かすと、かえって痛みが増すことがあります。

赤く腫れている、熱っぽい、ズキズキとした痛みが強いという時は、手を使う量をできる範囲で減らし、短時間冷やして休ませることを優先してください。保冷剤を直接肌に当てず、布で包んで使用するようにしましょう。

熱感や腫れが強くなく、こわばりや重だるさが中心の場合は、入浴や手浴などで温めてから、痛みのない範囲で手首や指をゆっくり動かす方法が合うこともあります。

ただし、指の引っかかりを無理に伸ばす、痛む親指を強く広げる、手首を勢いよく回すといったケアは控えてください。痛みが出る動きを繰り返さないことも大切なセルフケアです。

受診を考えたいサイン

産後の手首痛はよくあることだからと、我慢を続けてしまう方もいます。しかし、症状が長引くほど日常の負担が増え、かばう反対側の手や肩、首までつらくなることがあります。

親指の付け根が腫れている、何もしなくても痛い、赤ちゃんを持ち上げる時に手に力が入らない、指が曲がったまま戻りにくいといった症状がある場合は、早めに医療機関で相談してください。

急な腫れや強い痛み、手指のしびれ、指の引っかかりが続く場合は、自己流のケアだけで様子を見続けず、整形外科などの医療機関へ相談することが大切です

産後は赤ちゃんのことを優先して、自分の痛みを後回しにしがちです。しかし、お母さんが痛みを抱え続けると抱っこや授乳の時間までつらくなってしまいます。

手首だけでなく体全体を見ること

手首や指の痛みは、手だけを使い過ぎた結果のように見えますが、肩や首の緊張、背中の丸まり、骨盤の不安定さなどが重なっていることもあります。産後は睡眠不足や授乳姿勢の影響で、体全体が前かがみになりやすい時期です。

肩や肘が十分に使えず、手首だけで赤ちゃんの重さを受けていると、同じ場所に負担が集中します。手首の痛みが何度も繰り返す場合は、抱っこの形だけでなく、肩から腕、姿勢全体を見直すことが必要になることもあります。

当院では、痛い手首だけを確認するのではなく、肩や首、肘、背中、骨盤の状態まで見ながら、なぜ手首に負担が集まりやすいのかを考えていきます。育児中の生活では完全な安静が難しいからこそ、今の体に合った負担の減らし方を一緒に探すことが大切です。

産後の手首や指の痛みは、頑張っているお母さんの体からのサインです。抱っこや授乳の仕方を少し変え、必要な時には周囲や道具の力も借りながら、痛みを我慢し続けないでください。気になる症状が続く時は、一人で抱え込まず、いつでもお気軽にご相談ください。


院長:高木

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