
院長:高木お気軽にご相談ください!


寝返りができるようになって、少しずつ行動範囲が広がってきた赤ちゃんを見ていると、次はずりばいかなと楽しみになりますよね。
ところが、何週間経っても寝返りで移動するばかりだったり、うつ伏せで回るだけだったりすると、ずりばいに進まなくて心配になることもあると思います。
今回は、寝返りからずりばいまでの発達の流れと、うまく進まない時に見守りたいポイントについて、ベビー整体の視点も交えながらお伝えします。
周りの赤ちゃんの成長を見ていると、つい比べてしまうものです。でも、赤ちゃんの移動の仕方には一人ひとり違った準備の時間があります。

進まない時間にも体を使う大切な練習があります
寝返りができるようになると、赤ちゃんは仰向けと横向き、うつ伏せを行き来しながら、自分の体を動かす感覚を覚えていきます。そこからすぐに前へ進む子もいれば、しばらくは寝返りだけで移動する子もいます。
寝返りの次には、うつ伏せで頭を持ち上げる、腕で上半身を支える、両手を使って周囲を見る、体を左右にひねるといった動きが少しずつ増えていきます。これらは、ずりばいのために必要な力やバランスを育てる準備です。
寝返りができた直後に前へ進めなくても、うつ伏せで腕を使い、体をひねり、向きを変えようとしているなら、ずりばいにつながる準備を重ねている時期と考えられます
目の前のおもちゃへ手を伸ばす、体を回して方向を変える、手足をバタバタさせる。大人から見ると同じ動きを繰り返しているようでも、赤ちゃんにとっては毎回違う体験をしています。
寝返りができるようになると、コロコロと体を回転させて目的の場所まで移動する赤ちゃんもいます。おもちゃを取りたい、家族のいる方へ行きたいという気持ちが、寝返りを繰り返す力になります。
寝返りだけで部屋の端まで行けるほど上手になると、「ずりばいをしないのでは」と感じるかもしれません。しかし、寝返りで移動することも、体幹や回転する感覚を育てる大切な過程です。
前に進む方法は一つではありません。寝返りを十分に楽しんだあとにずりばいへ進む子もいれば、そのまま四つ這いやつかまり立ちに関心が移る子もいます。
うつ伏せになったまま、お腹を中心にしてぐるぐる回る動きをピボットターンと呼びます。おもちゃの方向へ体を向けようとしているのに、前ではなく横へ回ってしまうように見えることもあります。
これは腕で床を押し、体重を移動させることで左右バランスを覚え、また骨盤や背中を使う練習の一つです。ピボットターンが出ている時は、赤ちゃんが自分の体を使って移動方法を探している途中と考えられます。
寝返りが始まってからずりばいまでの期間には幅があります。月齢表の目安は参考になりますが、そこにぴったり当てはまらないからといって、すぐに問題があるとは限りません。
赤ちゃんが前に進むためには、首を上げる力、腕で支える力、体幹の安定、左右へ体重を移す感覚、足で床を蹴る動きなど、いくつもの要素が少しずつ育つ必要があります。
そのため、寝返りは得意でもうつ伏せで腕を支えることに時間がかかる子、足をよく動かすけれど腕を使うことはこれからという子もいます。得意な動きから先に伸びることは珍しいことではありません。
「なぜ前へ進まないのだろう」と感じた時は、できていないことよりも、今どんな動きが増えているかを見てみてください。昨日より長くうつ伏せで遊べた、手を伸ばす回数が増えたなど、小さな変化が次の動きにつながります。
前に進みたい気持ちはあるのに、両手で床を押す力が強く、後ろへ下がってしまう赤ちゃんもいます。これは腕と足の力の使い方がまだうまく組み合わさっていないために起こることがあります。
後ろへ下がると、おもちゃから離れて泣いてしまうこともありますよね。その場合は、おもちゃを少し遠くに置き直したり、赤ちゃんが向きを変えられる広い場所を作ったりするとよいでしょう。
後ろ向きに進むことだけで、発達の遅れと考える必要はありません。前へ進むための力加減を覚える途中として、少しずつ見守ってあげてください。
赤ちゃんの中には、ずりばいをあまりせずに四つ這いになったり、座ることやつかまり立ちに関心が向いたりする子もいます。移動方法の順番には個人差があり、必ず全ての段階を同じ順番で通るわけではありません。
発達の過程で考えればずりばいをした方が良いのですが、しなくてもがっかりすることはありません。赤ちゃんが周囲に興味を持ち、自分なりに体を動かそうとして出来たことを沢山ほめてあげましょう。
ずりばいを促そうとして、赤ちゃんの足を無理に動かしたり、前へ進ませようとしたりする必要はありません。赤ちゃんが自分で試行錯誤する時間が、体の使い方を覚える機会になります。
家庭でできることは、赤ちゃんが安心してうつ伏せになり、手足を自由に動かせる環境を整えることです。硬すぎず沈み込みすぎない床の上に、安全なスペースを作ってあげてください。
おもちゃは遠くに置きすぎず、赤ちゃんが少し手を伸ばせば届きそうな距離から始めてください。届かないことが続くと、気持ちが切れてしまうこともあります。
うつ伏せ遊びを嫌がる時は、無理に長く続ける必要はありません。お母さんの胸の上でうつ伏せになる、膝の上で少し体を支えるなど、安心できる姿勢から始める方法もあります。
ずりばいに進む時期には、赤ちゃんの体の緊張や使い方の癖が影響していることもあります。いつも同じ側だけを向く、寝返りを片側にしかほとんどしない、左右で手足の動き方が大きく違うと感じる時は、少し丁寧に観察してみてください。
赤ちゃんは自分で姿勢を細かく調整する力がまだ育ち途中です。抱っこの向き、授乳の向き、寝る時に見える場所など、毎日の積み重ねで体の使い方に偏りが出ることもあります。
左右どちらも同じように動かそうとしているか、反対側にも顔を向けやすいか、うつ伏せで両腕を使えているかを見ておくと、体の使い方を考えるヒントになります。
ベビー整体では、赤ちゃんの寝返りやうつ伏せの様子、首や体幹の動き、左右の使い方を確認しながら、体に無理のないやさしいケアを行います。強い力を加えるものではなく、赤ちゃんの動きやすさを支えることを目的にしています。
寝返りからずりばいまでの時期は、赤ちゃんが自分の体の可能性を広げていく大切な時間です。前に進むという結果だけに目を向けると、今その子が頑張っている小さな動きを見落としてしまうかもしれません。
寝返りで移動する、うつ伏せで回る、後ろへ進む、手足をばたつかせる。どの動きも、赤ちゃんが次の方法を探している途中に見られることがあります。
大人ができることは、比べて急がせることではなく、安心して動ける場所を作り、少しの変化を一緒に喜ぶことだと感じています。それでも体の使い方や左右差が気になる時は、一人で抱え込まずいつでもお気軽にご相談ください。



