
院長:高木お気軽にご相談ください!


学校の健康診断で「側弯症の疑いあり」というプリントを持って帰ってきて、驚いたまま検索を続けている保護者の方はいませんか。側弯症は、中学生の女子に多く見られる症状で、痛みがないまま検診で偶然見つかることがほとんどです。
「うちの子はなぜこの病気になったのか」「これからどうすればいいのか」そんな戸惑いを抱えている方に向けて、今日は中学生の側弯症について丁寧にお伝えしていきます。




突然の指摘に驚かれたと思いますが、こうして情報を集めようとしているその行動が、お子さんにとって何よりの安心材料になります
側弯症は誰にでも起こりうる症状ですが、実際には中学生の女子に発症するケースが際立って多いことが分かっています。ここでは、その理由と背景を整理していきます。
側弯症の多くは原因がはっきりしない特発性側弯症と呼ばれるもので、思春期の急速な成長期に発症しやすい特徴があります。身長が一気に伸びるこの時期は骨の成長スピードが早く、その変化の中で背骨のバランスが崩れやすくなると考えられています。中学生の1クラスに1人ほどの割合で見られるとも言われており、決して珍しい症状ではありません
なぜ女子に多いのかについては、ホルモンバランスの変化や成長のスピードが男子と異なることが関係していると考えられていますが、まだ明確な結論には至っていません。いずれにしても、この時期の女子には特に注意を向けてあげることが大切です。
側弯症の厄介な点は、本人に痛みや不調の自覚がほとんどないことです。だからこそ家庭では気づかれにくく、学校検診で初めて発覚するケースが多くなっています。
見た目の変化としては、真っ直ぐ立った状態での肩の高さの左右差、ウエストラインの非対称、前屈をしたときの背中の片側の盛り上がりなどが挙げられます。ご家庭でも、お子さんの後ろ姿を意識して見てみることで、早い段階で気づけることがあります。
学校検診はあくまで見つけるためのふるい分けであり、それだけで確定診断がつくわけではありません。次にどう動くべきか、順を追って説明します。
まず大切なのは、整形外科を受診してレントゲン検査を受けることです。ここで背骨の曲がりの角度、いわゆるコブ角を測定し、実際に側弯症なのか、どの程度の状態なのかを確認します。この角度によって、今後の対応の方向性が大きく変わってきます
| コブ角の目安 | 成長中の対応 |
|---|---|
| 10〜20度程度 | 経過観察(数か月ごとの再検査) |
| 20〜40度程度 | 装具治療で進行を防ぐ |
| 40度以上 | 手術も含めた検討 |
多くのケースは軽度の段階で見つかり、経過観察で対応できることも少なくありません。過度に心配しすぎず、まずは正確な状態を確認することが第一歩です。
「経過観察」と言われると、何もしなくていいのかと拘りに感じる方もいますが、決してそうではありません。数か月ごとの再検査までの間、日常生活での姿勢の癖や体の使い方に目を向けておくことが、進行を見守るうえで大切な時間になります。
保護者の方が特に気になるのが、部活を続けられるか、受験に影響しないかという点だと思います。ここでは、その視点から気になるポイントを整理します。
軽度から中等度の側弯症であれば、多くの場合、部活動を制限する必要はないとされています。運動そのものが側弯症を悪化させるという明確な根拠はなく、体を動かすこと自体はむしろ体全体のバランスを整えるうえでプラスに働くこともあります。装具治療が必要になった場合でも、入浴時や運動時は外せることが多く、学校生活と両立しながら進めていくケースが一般的です。
日頃からお子さんの体の変化に気づけるよう、簡単なチェック方法を知っておくと安心です。
このようなチェックを定期的に行うことで、変化に早く気づける可能性が高まります。
側弯症そのものの進行を完全に予防する方法は確立されていませんが、体の使い方や柔軟性を整えることで、日常の負担を軽減できる可能性があります。特に成長期は、背骨や肩甲骨、骨盤周りの可動性を保つことが、体全体のバランスを崩しにくくするうえで意味を持ちます。
側弯症は、中学生の女子であれば決して珍しい症状ではなく、多くは経過観察の範囲で対応できるものです。とはいえ、痛みがないからこそ見過ごしやすく、進行に気づけないまま時間が経ってしまうこともあります。当院では、成長期の体の状態を丁寧に確認しながら、無理のない範囲で体のバランスを整えるサポートを行っています。一人で悩まず、気になることがあればいつでもご相談ください。

