
院長:高木お気軽にご相談ください!


こんにちは。妊娠後期に入ってから、横になっている時は何とか過ごせても、寝返りを打とうとした瞬間に腰や骨盤の奥がズキッと痛むことはありませんか。
夜中に痛みで目が覚めると、また寝返りをしなければならないことが怖くなってしまいますよね。今回は、妊娠中の腰痛と寝返りの関係について、少しでも負担を減らす体の使い方をお伝えします。
妊娠後期はお腹が大きくなり、これまで自然にできていた動きにも工夫が必要になります。痛みを我慢して同じ姿勢を続ける前に、体ごと動かす感覚を知っておくと安心です。




腰だけをひねらず体を一緒に動かすことがポイントです
妊娠後期になると、お腹が前方へ大きくせり出し、立つ時も座る時も体の重心が変わってきます。これまでと同じ姿勢を取っているつもりでも、腰や骨盤まわりには普段以上の負担がかかりやすい時期です。
お腹の重みを支えるため、腰が反りやすくなります。すると腰の筋肉だけでなく、骨盤の後ろ側やお尻、股関節まわりの筋肉にも力が入り続けます。日中の疲れが残ったまま横になると、寝返りの動きで痛みが出やすくなります。
妊娠中は、出産に向けて骨盤まわりの関節や靭帯がゆるみやすくなる時期でもあります。関節を安定させようとして筋肉が緊張し、寝返りのように骨盤をひねる動きで腰や骨盤に痛みを感じることがあります。
妊娠後期の寝返りで腰が痛む時は、腰だけを先にひねるのではなく、膝・骨盤・肩を一緒に動かして体全体で向きを変えることが負担を減らすポイントです
横になっている間も、同じ場所に負担がかかり続けることがあります。寝返りは体にとって必要な動きですので、痛みを避けるために全く動かないより、負担の少ない方法を見つけることが大切です。
日中は家事や仕事、上の子のお世話などで体を動かしているため、痛みを気にする余裕がない方も多いです。夜に静かになると、腰や骨盤の疲れを強く感じやすくなります。
また、同じ横向きの姿勢が続くと、下になっている骨盤や腰に圧がかかります。血流が滞りやすくなり、体勢を変えようとした時に痛みが目立つことがあります。
寝返りの時に痛みが出る方は、肩だけを動かしてから腰をひねるような動きになっていることがあります。妊娠前なら自然にできていた動きでも、お腹が大きい時期は腰と骨盤にねじれが集中しやすくなります。
寝返りを打つ時は、まず両膝を軽く曲げて、できる範囲でそろえてみてください。膝がばらばらのまま動くと骨盤が不安定になり、腰に力が入りやすくなります。
次に、お腹を少し抱えるようにして息を吐きながら、肩・骨盤・膝を同じ方向へゆっくり動かします。体を一枚の板のように転がす感覚を持つと、腰だけに負担が集中しにくくなります。
動く時に息を止めると、体全体が固まり痛みが出やすくなります。無理に勢いをつけず、ゆっくり息を吐きながら動くことを意識してみてください。
横向きで寝ている状態から反対側へ向く時は、上側の脚を少し前へ出し、膝を曲げておくと骨盤が安定しやすくなります。抱き枕やクッションを脚で挟んでいる場合は、急に外さず一緒に動かすようにしてみてください。
腕だけを先に遠くへ伸ばすと、上半身と骨盤の動きに差が出て、腰がねじれやすくなります。肩を動かす時も、膝と骨盤が同じ方向へついてくるように意識すると負担を減らしやすくなります。
寝返りの痛みがある方は、朝の起き上がりもつらいことが多いです。仰向けから勢いよく起き上がろうとすると、腹筋や腰に強い負担がかかります。
まず横向きになり、両膝を曲げた状態でベッドの端へ足を下ろします。その反動を使いながら、腕で体を押してゆっくり起き上がってください。お腹と腰だけで起きようとせず、腕と脚も使うことが大切です。
寝返りの動き方を変えても、最初の寝姿勢が合っていなければ、腰や骨盤へ負担がかかり続けます。妊娠後期には、横向きで体を支える姿勢が楽に感じられる方が多いです。
左側を下にした横向き寝は、妊娠中に勧められることが多い姿勢です。ただし、必ず左を下にしなければならないわけではありません。苦しくなければ、右側を下にして休む時間があっても大丈夫です。
| クッションを置く場所 | 期待できる役割 |
|---|---|
| 膝と膝の間 | 骨盤がねじれる負担を減らしやすい |
| お腹の下 | お腹の重みを支え、腰の反りを和らげやすい |
| 背中側 | 横向き姿勢を安定させ、仰向けへ戻りにくくする |
| 腕の下や胸の前 | 肩が内側へ丸まりすぎるのを防ぎやすい |
クッションは高さがありすぎると、骨盤や背中がかえってねじれることがあります。入れた時に腰が反る、首が苦しい、足がしびれると感じる場合は、厚みを減らしたり位置を少し変えたりしてみてください。
抱き枕は「正しい形」に合わせるよりも、膝・お腹・腕が楽に支えられ、呼吸がしやすい位置を探すことが大切です
寝返りの時だけ腰が痛むように感じても、日中の姿勢や動き方が夜の負担につながっていることがあります。妊娠後期は立っている時にも座っている時にも、お腹を支えるために腰が反りやすい状態です。
長く立ち続ける時は、片方の足だけに体重をかけ続けないようにしてください。台所仕事では低い台に片足を乗せ、左右を入れ替えると腰の反りを減らしやすくなります。
椅子に座る時は、浅く腰掛けて背中を丸めるより、深く座って背もたれやクッションを使うほうが腰を支えやすくなります。足が床に届かない場合は、足元に台を置いて安定させてください。
物を拾う時は、腰だけを曲げずに膝を曲げ、物をできるだけ体に近づけて持ちます。床にある物を取るだけでも、妊娠後期の腰には大きな負担になることがあります。
妊娠後期の腰痛や骨盤痛は珍しいことではありませんが、すべてを自宅で我慢してよいわけではありません。痛みの出方や、お腹の状態によっては、産院へ相談したほうがよい場合があります。
腰痛と一緒に規則的なお腹の張りがある、出血がある、破水のような液体が出る、発熱がある、安静にしていても強い痛みが続く場合は、早めに産院へ連絡してください。
寝返りだけではなく、歩いている時や休んでいる時にも強い痛みが続く場合、またお腹の張りや出血などを伴う場合は、体の使い方だけで済ませず産院へ相談することが大切です
「このくらいで連絡してよいのかな」と迷う時ほど、相談して確認することが安心につながります。妊娠中の痛みは我慢しすぎず、産院の指示を優先してください。
妊娠後期の寝返り痛は、お腹が大きくなった体が、今までとは違うバランスで毎日を支えているサインでもあります。痛みがあるからと自分を責めず、動き方や寝具、日中の姿勢を少しずつ調整してみてください。
腰だけをひねらず、膝・骨盤・肩を一緒に動かすこと。抱き枕やクッションで体を支えること。無理に同じ姿勢を続けず、痛みが出にくい形を探すこと。このような小さな工夫が、夜の負担を減らす助けになります。
当院では、妊娠中の体に配慮しながら、腰や骨盤だけでなく、姿勢、歩き方、日常の動作まで確認していきます。出産を控えた大切な時期に、少しでも穏やかに過ごせるよう、一人で痛みを抱え込まずいつでもご相談ください。

