
院長:高木お気軽にご相談ください!
学校検診で「側弯症の疑い」と言われ、「なぜこんな病気になったのだろう」と原因を調べている保護者の方はいませんか。側弯症は、思春期の女子に多く見られる症状で、その原因には多くの誤解が広がっています。
「自分の育て方が悪かったのでは」そんな自責の気持ちを抱えている方に向けて、今日は側弯症の本当の原因について丁寧にお伝えしていきます。




原因が分からないからこそ、保護者の方は自分を責めてしまいがちですが、それは決してご自身のせいではありません
「側弯症です」と言われたあと、多くの方が最初に耳にするのが「特発性側弯症」という言葉です。この耳慣れない言葉の意味から、まずは整理していきましょう。
特発性とは、簡単に言えば「はっきりとした原因が分かっていない」という意味です。側弯症全体の中でも、この特発性側弯症が圧倒的に多く、特に思春期に発症するものを思春期特発性側弯症と呼びます。思春期特発性側弯症は側弯症全体の約8割を占めるとされ、決して特殊なケースではありません
原因が分からないと聞くと不安になるかもしれませんが、これは医学的にまだ完全には解明されていないというだけで、何か特別な病気やご家庭の問題があるわけではないのです。
側弯症は10歳以降の思春期に発症することが多く、その中でも女子に圧倒的に多いことが分かっています。ここでは、その背景にある要因を見ていきます。
思春期は身長がぐんと伸びる時期です。骨の成長スピードが早いこの時期は、背骨や周辺の筋肉のバランスが一時的に崩れやすく、側弯が進行しやすい傾向があると考えられています。骨の変化に体全体がついていく過程で、湾曲が目立ちやすくなるのです。
女子は男子に比べて側弯症の発症率が5倍から8倍ほど高いと言われています。ホルモンバランスの違いや、成長のスピード、骨の成熟のタイミングなどが関係していると考えられていますが、なぜ女子に多いのかという明確な理由は、まだ研究が続いている段階です。
家族に側弯症の人がいる場合、発症のリスクがやや高まることが知られています。特定の遺伝子が関わっている可能性が指摘されていますが、遺伝だけで全てが決まるわけではなく、あくまで要因のひとつとして考えられています。ご自身に側弯症の経験があるからといって、必ずお子さんに現れるわけではありません。
側弯症と聞くと、「姿勢が悪かったのでは」「カバンの持ち方が悪かったのでは」と考えてしまう方が非常に多くいらっしゃいます。しかし、この考え方には注意が必要です。
日常の姿勢や生活習慣が側弯症の直接的な原因になるという科学的な根拠は、現在のところ確認されていません。良い姿勢を保つことは健康にとって大切なことですが、それがそのまま側弯症の予防や原因になるわけではないのです。ですから、「自分の指導が足りなかった」と感じている保護者の方は、その気持ちを持ち続ける必要はありません。
原因がはっきりしないと聞くと、対処の方法も分からず不安になるかもしれません。しかし、原因が不明であっても、できることは確かにあります。
まず大切なのは、進行の程度を正確に把握することです。整形外科でのレントゲン検査によって背骨の曲がりの角度を確認し、経過観察が必要な段階なのか、装具治療を検討する段階なのかを判断していきます。同時に、体全体の柔軟性や姿勢のバランスを整えておくことも、日常生活での負担を軽くするうえで意味があると私は考えています。
| 要因 | 側弯症への関与 |
|---|---|
| 遺伝的要因 | 発症リスクに関係する可能性あり |
| 成長期の急激な変化 | 進行のタイミングに関係 |
| 性別 | 女子に多い傾向がある |
| 姿勢・生活習慣 | 直接的な原因とは言えない |
原因を追求するよりも、今の状態を正しく知り、進行を見守りながら向き合っていくことが何より大切です。日頃からできることを整理しておきましょう。
側弯症の原因は、姿勢や生活習慣ではなく、遺伝的な要因と成長期の体の変化が組み合わさって起こるものだと考えられています。誰かのせいではなく、成長の過程で起こりうる自然な現象のひとつなのです。当院では、成長期の体の状態を丁寧に見ながら、無理のない範囲で姿勢や体のバランスを整えるサポートを行っています。一人で悩まず、気になることがあればいつでもご相談ください。

