
院長:高木お気軽にご相談ください!
赤ちゃんがペロッと舌を出す仕草、可愛いですよね。でも何度も繰り返していると、「これって何をしているのかな」と気になってしまうお母さんも多いのではないでしょうか。
「もしかして病気?」「発達に何か問題があるの?」と不安を感じているママにお伝えしたいのは、「舌を出す行動」の多くは、発達上のとても自然な反応だということです。
もちろん、すべてが心配ないわけではありません。今日は月齢ごとの理由と、注意が必要なケースの見分け方を丁寧にお伝えします。


「大丈夫かな」と感じたら、まず理由を知ることが一番の安心につながります。
舌を出す仕草が見られるようになる時期は、赤ちゃんによって少しずつ異なります。多くの場合、生後3〜4か月頃から目立つようになりますが、早い赤ちゃんでは生後1〜2か月頃から舌の動きが見られることもあります。この時期は口まわりの筋肉が少しずつ発達してきて、赤ちゃん自身が舌の感覚を覚え始めるタイミングと重なります。「うちの子、最近よく舌を出すようになった」と感じたら、それはちょうど発達が進んでいる証かもしれません。
舌を出す行動には、月齢によって少しずつ意味が変わってきます。「なぜ舌を出しているのか」を月齢と照らし合わせて理解することで、不安がずっと小さくなります。ここでは生後0か月から1歳頃までの変化を順番に整理してみます。
生まれたばかりの赤ちゃんは、唾液を自力でうまく飲み込む筋力がまだ十分ではありません。口元の力が弱いため、無意識に舌が口の外に出やすい状態です。この時期の舌出しは、意図的な動きではなく生理的なものと考えてよいでしょう。
この時期になると、赤ちゃんは自分の体の動きに気づき始めます。舌を出してみたり、唇に触れてみたりしながら、口の感覚を楽しんでいる段階です。鏡に映る自分の顔を見て舌を出す赤ちゃんもいて、これは自己認識の発達を示すとても良い反応です。また、お母さんやお父さんが舌を出すのを見て真似することも増えてくる時期です。
この月齢で見られる舌出しには、食事に関係した意味が含まれていることがあります。赤ちゃんには「押し出し反射(哺乳反射)」という本能的な機能があり、口に入ってきた固形物を舌で前に押し出す動きをします。これは誤飲を防ぐための大切な反射で、離乳食が始まる準備段階として口の機能が整ってきているサインです。
乳歯が生え始めるこの時期、歯ぐきのムズムズ感を和らげるために舌を前後させたり、口の外に出したりすることがあります。歯ぐきのかゆさや違和感を自分なりに解消しようとする、自然な行動です。よだれが増えたり、何でも口に入れたがったりするのも同じ理由からきています。
1歳に近づくと、舌を出す行動には感情表現としての意味合いが強まってきます。楽しい、うれしい、興味がある、という気持ちを体全体で表現する手段のひとつとして、舌が使われることがあります。この時期になっても頻繁に舌を出し続ける場合は、後述する「注意が必要なケース」の項目を確認してみてください。
赤ちゃんは言葉でお腹が空いたことや体の不快感を伝えられないため、舌を出す行動でそれを表現することがあります。泣く前の段階で舌を出したり、口をぱくぱくさせながら舌を出したりしている場合は、授乳のタイミングを探しているサインかもしれません。
舌出し+口をぱくぱく・手を口に持っていく・顔をキョロキョロ動かすなどの仕草が重なっていたら、それは空腹のサインである可能性が高いです。泣くまで待たなくても、このタイミングで授乳することで赤ちゃんも落ち着いて飲めることが多いです。
ほとんどの舌出しは心配いらないものですが、一部のケースでは専門家への相談を検討した方がよい場合があります。次のような状態が続いている場合は、小児科や歯科へ受診することをおすすめします。どれも「絶対に問題がある」というわけではなく、一度確認するという意味での目安です。
1歳以降も常時口から舌が出ている状態が続く場合、口呼吸や舌の筋力の発達に影響が出ていることがあります。長期間続くと歯並びや発音にも影響が出る可能性があるため、歯科や小児科での確認をおすすめします。
舌の動きと授乳はとても密接な関係にあります。舌を使って乳頭をうまくくわえられない、うまく吸えていない様子がある場合、「舌小帯短縮症」という舌の裏側のすじが短いことによる問題が関係していることがあります。体重の増えが少ない場合や授乳時に毎回苦労している場合は、早めに相談しましょう。
クレチン症(先天性甲状腺機能低下症)では、舌が大きく口から出やすい状態になることがあります。ただしこれは新生児スクリーニング検査で早期に発見されることがほとんどです。大きな舌・顔のむくみ・体温が低い・元気がないなどの症状が重なる場合は、医療機関への相談を検討してください。
1歳未満の赤ちゃんの舌出しは無理にやめさせる必要はありません。この時期の舌出しは口の発達の自然なプロセスです。
ただし、歯が生え始めた頃以降も常に舌を前に出している状態や、遊びの範囲を超えて気になるレベルが続く場合は、自然にやめるのを待つだけでなく、専門家に相談する選択肢を持っておくと安心です。
特別な道具は要りません。日常の中で少し意識するだけで、赤ちゃんの口まわりの発達をサポートすることができます。無理に「練習」として取り組むのではなく、日々のふれあいの中に取り入れてみてください。
お母さんやお父さんが赤ちゃんの前でゆっくり舌を出してみてください。赤ちゃんが真似をすることで、舌の筋肉を動かす練習になります。表情の真似っこは赤ちゃんの脳の発達にも良い刺激になります。楽しい表情でやり取りすることが大切です。
授乳の体勢が崩れていると、舌の使い方にも影響が出ることがあります。赤ちゃんの頭が傾いていないか、首に無理な力がかかっていないかを確認しながら授乳してみましょう。「なんとなく飲みにくそう」と感じたら、姿勢の調整が助けになることがあります。
たくさん話しかけること、歌を歌うこと、表情豊かに関わることは、赤ちゃんの口腔機能の発達を促すうえでとても有効です。舌を出すことへの返応として「あら、べーしてるね」「かわいいね」と笑顔で関わるだけでも、赤ちゃんのコミュニケーション力が育まれていきます。
口まわりの機能は、頸椎(くびの骨)や自律神経の発達と深い関わりがあります。赤ちゃんが生まれてから最初に行う運動のひとつが「おっぱいを吸う」という動作で、この動きを支えているのが舌・顎・頸部の筋肉の連動です。
体の歪みや首の緊張が強い赤ちゃんは、口まわりの動きにも影響が出ることがあります。当院のベビー整体では、全身のバランスを整えながら赤ちゃんの発達をサポートするアプローチを行っています。「授乳がうまくいかない」「首の向きに左右差がある」「何となく体が硬そう」という気になる点がある場合は、ぜひご相談ください。
「大丈夫なのかな」と心配しながら検索していたあなたの気持ち、よくわかります。自分の子どものことはどんな小さなことでも気になってしまいますよね。
今日お伝えしたように、ほとんどの舌出しは発達の自然な一部です。でも「やっぱり気になる」という気持ちが残るなら、一人で抱え込まずに相談してほしいと思います。大したことじゃないかもしれない、と遠慮しなくて大丈夫です。小さな疑問でも、一緒に考えていきましょう。



